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《ねぇ、まだー?どこにいるのー?》
《わりぃ、ゼミの課題忘れてた。残ってやらなきゃだから先帰ってて》
シゲと私は同じ大学に入学した。
お互い一人暮らしで、私は料理上手なシゲに甘えてほぼ毎日、夕食を共にしている。
《じゃあ、買い物行っておくから、今日はウチで作ろ?》
私とシゲが付き合ってる、そんなくだらない噂はもちろん立たないけど
ア「たまには作ってあげなよ、彼女の手料理とか男は嬉しいもんだよ?」
友人たちの間では、すっかり公認のカップルに仕立て上げられていた。
「あのね。彼氏じゃない、友達!」
ア「毎日家を行き来してご飯作る男友達なんて、あり得ないでしょー」
アイは同じ学部で、初めての授業で隣の席だった。
“過去を忘れる為には新しい恋!”が口癖のアイに連れられて、初めての合コンも真夜中のクラブも経験した。
彼氏の途切れないアイとは対照的に、私はどんな金持ちも紳士もイケメンも、恋愛には発展しない。
それはシゲのことが好きだからじゃない?ってアイは言うけど、恐らくは違う。
「わかんないんだよ、リア充さんにはね」
ア「わかるよ、私だって一時期はそうだったし。まぁ遠い昔だけどね」
私が抱くシゲへの想いを、アイは知ってて。
その罪悪感も失う恐怖もなぜか共感してくれた。
「その、アイとずっと一緒にいてくれた人はどうしたの?」
アイの話を聞けば聞くほど、自分の事のように思える。
好きな人がいて、でも想いは届かなくて。
辛い時、いつもそばに居てくれる人に甘えて。
シゲへの罪悪感が募った私は、その後のアイがどんな道を歩んだのか、アイの話に釘付けになった。
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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです!ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています!リ`▽´ノリ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります! (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます!あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい! (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです! (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:8nocchi | 作成日時:2015年8月23日 0時