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“自分に正直でいないとさ、見失っちまうんだよ、大事なものが何か。”
シゲの言葉通り、私は完全に見失っていた。
居なくなると知って初めて、祐也の存在の大きさに気付かされて。
◯「お前、なんか聞いてる？」
昨日まで祐也が脚を組んで頬杖をついていた場所は既に空っぽで
“みんな昨日はお疲れさん”
そこに視線を送るシゲの事は気になっても見れなくて
“手越なんだけど…来月からイギリスに留学する事に決ったんだ”
一番聞きたくなかった言葉を、その空席を見ながら遠くに聞いた。
◯「は…聞いてねぇし…」
他のクラスメイトと同様、シゲは驚いてて
◯「お前…知ってた…の？」
私は声を出すことすら難しい。
◯「答えろよっ！」
「ごめん」
珍しく声を荒げるシゲの顔なんて見れないままだけど、私は彼の手を引いて教室を飛び出した。
ーーー
昨日、貴久と話せて整理はついてて。
「シゲごめん、私知ってた。祐也の留学のこと。でも知らないふりしてたの」
自分が楽になれる居場所を失わない為に、全力だったんだ。
「祐也がいなかったら、シゲと一緒にいられないと思ったから」
シゲ、ごめんなさい。
一人で進んでいく勇気がなくて。
シゲの気持ちを利用して、嘘ついて。
◯「それって…」
シゲがどんな選択をするのか、私は多分解ってる。
「シゲが…好きだから」
だからこそ、こんな事を言えちゃう自分が怖いよ。
シゲが自分から離れて行かないように縛り付けるようなことを言って
自分の気持ちを簡単に偽れてしまう自分を。
◯「今の、聞かなかった事にするわ」
祐也の気持ちを知ってるシゲを困らせて、悩ませても
◯「あいつを傷つけてまで、お前が欲しいなんて言えねぇし。あいつが戻るまでは…変わらずにいような？」
自分が縋る場所を失いたくなくて
「見送り、一緒に行ってくれる？」
◯「当たり前だろ」
この手を離したくないんだ。
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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです！ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (
レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています！ﾘ｀▽´ﾉﾘ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます！ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります！ (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます！あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい！ (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです！ (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：8nocchi
| 作成日時：2015年8月23日 0時
