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一頻り泣いた後、Aはゆっくりと話を始めた。



手越と別れたこと

シゲの言葉

二人と過ごす日々。



どれも全く他人事のように思いながら聞いていた。



「私、利用してんの…祐也とシゲを」




Aが苦しむ理由は簡単で、俺と同じ。




▽「最低だよ、お前。」




届かない想いを消すため。

大好きな気持ちを押さえつけるため。




▽「けど、それで良いんだと思う」




俺はAをフォローしてるように見せて、結局は自分を擁護してるだけで。





▽「手越もそのシゲって奴も、お前の事が嫌だったら離れて行くでしょ。そうしないってことはこのままで良いってことじゃない?」




夏希の想いを都合よく利用してるのには変わりない。





「そう…だよね。だから…」




Aなんかより、俺の方がよっぽ卑怯で、あざとい。




▽「お前が楽になれる方に、今は流れちゃっていいんじゃない?」



例え、あいつを忘れる為だとしても、自分のところに来て欲しいなんて思てるんだから。



「それが貴久でも?」



あわよくばなんて、期待までして




▽「いいけど」




簡単に夏希を傷つける覚悟だって出来てしまう俺を



「ははっ、冗談!帰る!」




Aはきっと軽蔑するんだろう。




▽「ん、気をつけて帰れよ」




このままで良いなんて思ってないけど




「夏希さん、心配してるよね。連絡したほうがいいんじゃない?」




今はもう少しだけ、



▽「お前が気にすることじゃないから」




幼馴染でいたいよ。




「そっか。なんか、いろいろありがと!じゃ、行くね」




この気持ちを抑えられる間だけでいい、俺のそばにいて…




▽「なぁ、A」




またな、その言葉は敢えて飲み込んだ。




夏「Aちゃん貴久、いる?」

「はい、奥に。じゃあ、私は失礼します」




俺は演じなきゃいけないから。

幼馴染を、夏希の彼氏を。

これからも、Aのそばにいる為に。

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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです!ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています!リ`▽´ノリ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります! (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます!あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい! (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです! (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:8nocchi | 作成日時:2015年8月23日 0時

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