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「え、ちょ…!?」
勢いよくカーテンを開け、Aの口を塞いでベッドに体を滑り込ませる。
▽「しっ!」
モゾモゾと動こうとするAを無理やり布団の中に押し込み、目を閉じて息を潜める。
心臓がドキドキするのは、夏希への疚しさと密着するAの体温のせい。
荒がる呼吸を必死で整えながら、静かに寝息を立てた。
“寝てる…んだ”
夏希はよく出来た女だ。
むやみにカーテンを開けるなんて遡行は絶対にしない。
カーテンの下に脱ぎ散らかした俺の上履きを見て、すぐに保健室から出て行った。
カチャン
俺への気遣いが静かに閉まるドアから感じられて、また、罪悪感が胸をついた。
▽「もういいよ」
バサッと布団を捲ると、息苦しかったのか顔を赤くしたAが荒い息で俺に食ってかかった。
「なっ…何考えてんの!」
目まで赤いのは、恐らくは泣いていたからで
▽「俺たちがラブラブしてたら、益々惨めになるでしょ」
恩着せがましい事を言ってデコピンを食らわせる俺は、何様だろう。
「そんなの…頼んでない。」
だよな…
でも俺、間違ってないんじゃない?
だって、Aはどこかホッとしてる。
▽「泣いていいよ。そのために来たんでしょ?」
いや、ホッとしてるのはむしろ俺の方か。
「なんで…解んの…バカ」
Aが俺の隣で泣く事で、まだそばにいいよって、必要とされてるって実感出来るんだから。
▽「お前の事なら何でもわかるわ。バーカ」
ねぇ、俺、間違ってないでしょ?
俺、好きでいても良いでしょ?
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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです!ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています!リ`▽´ノリ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります! (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます!あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい! (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです! (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:8nocchi | 作成日時:2015年8月23日 0時