64_◯ ページ15
放課後、いつものように手越は彼女の元に歩み寄る。
熱があったってサッカーだけは休んだ事のない手越はもうそこにはいなくて…
一番大切な彼女の為と、全てを捧げていた。
ここまで大切に思える存在が居るのは羨ましくなるけど、
「…祐也に関係ないからっ！」
彼女の大切モノは自分じゃないって、凄く切ないだろう。
だから、もう黙って見てるなんて出来なくて
◯「お前ら、良い加減やめとけ」
二人の関係が終わってしまうなら、それはそれでいいと心のどこかで思いながら
◯「今日は諦めろ。このままじゃ、ダメになんぞ」
また、恩着せがましいことをしてしまった。
「ごめん…なんか嫌なところ見せちゃって」
こいつは拒みもせず、むしろ、彼氏である手越の手を振り払って俺についてきた。
単にあの状況から逃げたかっただけなのか、それとも俺が“このままじゃダメになる”そう言ったからか。
◯「確認しとくけどさ、手越のこと、好きなの？」
今この状況は、自分にとって好都合でしかなくて
「好き…だけど…」
彼女の答えも気にならないほど、期待ばかり膨らんでいく。
◯「別れんなら、早い方がいいと思うけど」
でもシャツから、あの時しっかりと握りしめていたネックレスが透けて見えて
◯「言ったじゃん。自分の気持ちに正直でないと、大事なモノ見失うって。」
また、自分に嘘をつくしか出来なくなった。
◯「大事な人がいるんだろ？」
彼女は一瞬驚いて、俯いたまま口を閉ざす。
ギュと握られる拳は少し震えて、一滴の雫がスカートに滲んだ。
ずっと抑えて来た気持ちが溢れ出るように。
「もう…何が大事かわかんないよ…」
自分の気持ちを偽る苦しみは、俺には手に取るように解るから
その苦しみから解放してやりたい。
誰を傷つけても、たとえ自分が傷ついても、彼女には傷ついて欲しくなかった。
◯「一番大事なのは…お前の気持ちだから。ちゃんと伝えろよ。そいつにも、手越にも。」
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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです！ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (
レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています！ﾘ｀▽´ﾉﾘ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます！ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります！ (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます！あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい！ (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです！ (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：8nocchi
| 作成日時：2015年8月23日 0時
