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◯「お前ら、良い加減やめとけ」

♡「どけよ、シゲには関係ないから」




今までの二人からは想像も出来ない殺伐とした空気に、声も出せないまま、二人のやりとりを見ていた。




◯「わりぃけど、こいつ借りるな」

♡「は?ふざけんなっ」




あんなに仲の良かった二人がこんな風になったのは、恐らく私のせいで




◯「今日は諦めろ。このままじゃ、ダメになんぞ」




祐也は私を想ってくれて、加藤くんは祐也を想ってて。

ケジメをつけられない私が、二人の仲を引き裂いたんだ。




◯「結城、行くぞ」




明らかに険悪なムードの中、加藤くんに手を引かれるまま、図書室へと向かう。

本当はこの手を振り払って祐也とちゃんと向き合うべきなのに。




◯「まぁ、座れば?」




誰もいない図書室で、加藤くんに言われるまま腰を下ろした。




「ごめん…なんか嫌なところ見せちゃって」

◯「確認しとくけどさ、手越のこと、好きなの?」




頭を掻きながらバツが悪そうに尋ねると、大きな瞳で不安そうに私の顔を覗き込んだ。




「好き…だけど…」




言葉が続かないのは、この気持ちが偽りだという証拠で




◯「別れんなら、早い方がいいと思うけど」




それを見透かすように、加藤くんは呆れ顔だ。




◯「言ったじゃん。自分の気持ちに正直でないと、大事なモノ見失うって。」





頬杖をついて、夕焼け空を窓から眺める。

その横顔が、憂いを帯びてすごく綺麗だなんて、余計なことが頭に浮かんでしまうけど




◯「手越は…ちゃんと話せば伝わる奴だから」




振り返った加藤くんは、すごく真剣な表情で悲しそうに笑っていた。

一番大事だと言っていた祐也とこんな風になってしまったのに、自分の事より私達のことを心配してくれていて。




「わかってるよ…」




なんのために加藤くんがここまでしてくれるのかも

祐也も加藤くんも、両方傷つけてるってことも

そんな状態を続けるのは、誰の為にもならないってことも

ちゃんと頭では解る。




自分の気持ちさえ、祐也に向けられたら…

こんなに想ってくれる祐也に別れを切り出さずに済むし

加藤くんと祐也が険悪になることも無いのに。

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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです!ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています!リ`▽´ノリ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります! (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます!あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい! (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです! (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:8nocchi | 作成日時:2015年8月23日 0時

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