By your truth-2-

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pm11:00

Aの部屋の電気がまだついてる。



最近では珍しくもない事だけど、いつもと違うのは、カーテンが開け放たれて悩ましい顔で鏡に向かっている事だ。



▽「何してんの？」



聞かなくたって判ってるのに声をかけずにいられないのは、やっぱりAが好きで放って置けないから。




「明日、久々に撮影入ったの！」




悩みながらもあいつに会える喜びを露わにするAの背中を




▽「へぇ、良かったじゃん」




今度はちゃんと押してやろうって思えるのは




「何着て行こう？」




これで終わるんだって、汚い期待があるからだ。




▽「んー。これが良いんじゃない？」





選んだのは清楚な白のワンピース。

夏だけど夜は肌寒いので、カーキのミリタリーシャツを上に重ねて少し崩す。




「ありがと！明日ね、これ返して、ちゃんと気持ち伝えようって思うの。」




俺の淡い期待を切り裂くように、ハッキリと喋るAは、澄み切った瞳であいつのネックレスを見つめていた。



▽「え…」




俺の声なんて届かないのは、どんなに想ったってAの気持ちは揺るがないってこと。



「やっぱ諦められないんだ。慶一郎のこと。」




告白した訳でもないのに振られる俺って…




▽「そっか」





考えるのもバカらしくなる。

でも、これだけは本音。




▽「幸せに…なれよな」




好きって、究極はこういう事だろ？

この時の俺は、自分の失恋を美化でもしなきゃ、やってられなくなってた。

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