Love pattern of twins

6〜妹side〜 ページ6

〜回想〜

「あーあ。せっかく良い色に染まったのに。」

貴「洗えば落ちるんだし！纏めてる方が夏っぽくていいじゃん(^^)」





高校生になって初めての夏休み。

私と貴久は浮かれて髪を染めた。

でも、二人とも赤点と出席日数足りないせいで補修。

案の定、初日は先生に怒られるわけで…。

結局毎日黒いヘアスプレーとお団子で誤魔化して学校へ行っていた。



貴「あっつ〜ジュース！ジャンケン！」



入学してから私達の間で恒例になったパシリを決めるジャンケン。

なぜかいつも貴久が勝つ。



貴「オレンジね〜」


団扇でパタパタしながら手を振る貴久を残し、私は学食横の自販機に並ぶ。


キンキンに冷えたミルクティーが飲みたいな。

アイスクリームみたいに甘くて冷たいの。


私の前にはよく日焼けした背の高い先輩が何を買うのか迷ってるみたいだった。

散々迷った挙句、私の飲みたかったミルクティーのボタンを押すと、“売切”の赤いランプが灯る。


「あっ…マジか」


思わず心の声が漏れると、先輩は少し驚いて振り返った。


？「これ、飲みたかった？」


そう聞かれた瞬間、かな？私が先輩に恋したのは。

綺麗に整った優しそうな顔立ちで、色黒の肌に真っ白なワイシャツが凄く似合ってる。


「いえ、大丈夫です」


そこで素直にハイなんて言える女じゃないから、私は急いでお金を入れて別なものを買おうとした。

でも何を飲むかなんて決めてなくて、ボタンを押す指は途方にくれる。



すると横から、筋肉質の細長い腕がスポーツドリンクのボタンを押した。


「えっ…」


スポーツドリンクなんて買う気は毛頭ないから、また思わず声が出る。

でも先輩はそれを自販機から出すと、自分の持ってるミルクティーを私に差し出した。



？「お団子ちゃん、可愛いからミルクティーあげる(^^)」


その笑顔で私は確実に恋に落ちた。


「ホント、大丈夫ですから」


でも可愛くない私は素直にありがとうって言えない。


？「俺、この後部活だから、ホントはこっちの方が良いんだ！だからハイ(^^)」

「ありがとう…ございます」

？「暑いけど水分しっかり摂って頑張ろ♪またね」


そう言って爽やかに去って行く先輩を私はボーッと見つめていたと思う。


カッコ良い…いや、優しい…

どっちでも良いけど、それからはその人を見るたび目で追うようになった。



後から、その人がサッカー部の小山先輩だって知った。

7〜妹side〜→←5〜妹side〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す