Love pattern of twins

45〜妹side〜 ページ45

二人でバイト先まで足を進める。

先輩との久々の沈黙が息苦しくて、甘酸っぱいキスの引き金を引いてしまった自分が憎い。



もう、前みたいには戻れないんだ。

あんなに居心地の良かった先輩との時間が、こんなに苦しいものになっちゃうなんて…


先輩は今、どんな気持ちなんだろう。




「あの、話って…」


やっと言葉を掛けたときには、コンビニがすぐ目の前だった。


シ「ん…そこの公園寄ってこ。そこで話す。」


コンビニの向かいの公園でベンチに座ったとき、長く続いた沈黙がようやく破られた。




シ「さっきはごめん。」

「いえっ。私が…あんなこっ…」

シ「見られちまったんだ、慶一郎に。」



言葉を遮られ、衝撃的な事実が告げられる。

私の思考は完全にフリーズして、息をすることすら忘れていた。



シ「あいつ、俺らが付き合ってるって勘違いしてて…俺、否定していいのかどうか判んなくてさ。」


「え…」



小山先輩に勘違いされたことより、なんでシゲ先輩が否定しなかったかで頭がいっぱいになる。



シ「否定したら…お前が“好きでもない男と簡単にキスする女”って思われんだろっ。」



先輩は困り果てたように項垂れて言った。



先輩、事実だからそれは仕方ないよ。

私は好きじゃない人とでも…出来ちゃう女だから。

私は、そんな気遣う価値もない女だよ。




シ「でも、好きな奴に彼氏いるって思われたままも辛いよな。
ホント、とんでもないことして、ごめん。」



謝らなきゃならないのはむしろ私なのに、先輩はホントに申し訳なさそうに頭を下げた。

先輩は、私が彼女って思われても嫌じゃないの？

小山先輩がすきだからって私のことばっかり考えてくれてるけど、シゲ先輩はどう思ってるの？



シ「どっちがいいか、お前が決めろ。」



否定しちゃったら、もうきっと、シゲ先輩とは話すことすら難しくなる。



このままだったら…先輩とは何も無かったみたいに居られる？

それとも、もっと深い関係になる？

どっちにしても、今のぎこちない関係よりははるかに良いな。



ホント最低だ。

小山先輩が好きなくせに、シゲ先輩と付き合うのを悪くないなんて思ってる私は。



「先輩は、どうしたらいいと思いますか？」



そんな私が彼女なんて、シゲ先輩に迷惑だよね？



シ「俺は…このままでも良いかなって思ってる」

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