Love pattern of twins

29〜慶一郎side〜 ページ29

手越から遥花が早退したって聞かされた。


俺のせいだ。

俺があんなことしちゃったから…



なんて言ったら良いのか判らないけど、とにかく謝らなきゃ。

そう思って、部活帰りに家に寄った。









「はーい。」



震えてるような声で遥花はドアを開けた。

目を赤くして、いつも綺麗に結ばれてるはずのお団子も乱れてて。

俺がこんな風にさせちゃったんだ。

罪悪感からまっすぐ見ることができなかったけど、とにかく泣かせてゴメンって気持ちを伝える為に声をかける。



慶「遥花…？」









突然家に来た俺を見て驚きの表情を浮かべていたその子は、一瞬悲しそうな顔をして階段を駆け上った。



「遥花ー、小山先輩来てくれたよ〜」


その子は遥花じゃなく、Aちゃんだった。



自分の彼女を見間違えるようじゃ、終わってるな…


Aちゃんに謝るも、返事は乱暴に閉められるドアの音。


俺、本当バカだ。









『慶ちゃん…あがって？』


部屋から出てきた遥花は髪の毛を垂らしていて、泣き腫らした疲れた表情で、別人に見えた。


慶「ゴメン…勝手に来て。」

『ううん。』


そう笑って、部屋へ通してくれた。









カチャン



部屋の扉を静かに閉めて、遥花はベットに座った。

隣に座って良いのか判らなくて、とりあえずテーブルを挟んだ向かいに腰を下ろす。



『今日は、ごめんなさい』



謝らなきゃならないのは俺の方なのに、遥花から謝られた。

多分、手越とキスしたことに対するモノ…。

でも俺はもうそんなことどうでも良くて、ただ、遥花の気持ちが知りたいんだ。



慶「俺の方こそ、ずっとゴメン。
束縛して、辛い思いさせたよな。」

『慶ちゃんは悪くないよ。』

慶「遥花は…もう俺のこと、好きじゃない？」

『そんなことない…』



もう、好きって言ってもらえないのかな…

切なそうに目も合わせてはくれない。



慶「そっか…」



無理してるのが伝わって来て、それ以上は何も言えなくなった。



『慶ちゃん…キスして？』

慶「え？」

『、、、して…』



そんな切ない顔で求めないでよ…

どうやって抱きしめて良いのかわからないよ…

でも遥花が求めるなら、どんな遥花だって優しく抱きしめたい。



慶「好きだよ」



俺にはこれくらいしか出来ないけど、遥花は幸せ…？

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