Love pattern of twins

3〜祐也side〜 ページ3

新学期早々、サッカー部は朝練。

サッカーは好きだから全然いいけど、まだ1年が入ってこないから相変わらず俺たちが後片付け。

エースストライカーの俺に片付けさせなくたって、人は足りてるのに。



そんな俺の鬱憤なんて知る由もなく、当の慶ちゃんはさっさと彼女の元に行っちゃってる。





慶ちゃんの彼女は、俺らのタメではちょっとした有名人。

スポーツ万能、成績優秀。

見た目も性格も悪くない。

慶ちゃんと付き合い出す前は結構モテてて。

俺はそういう女には全然興味無いんだけど、親友のまっすーが好きな女だから、話しだけはよく聞いてた。





キーンコーン


予鈴がなり始めたので急いで階段を駆け上がると、階段の踊り場でイチャつくカップル。

生徒会長のくせして風紀乱しまくってる慶ちゃんと、まっすーが大好きな優等生のあの子。



『慶ちゃん…もう行かなきゃ』



女が俯いて、慶ちゃんはようやく俺の気配に気がついたみたい。



慶「お、手越お疲れ(^^)
じゃあ遥花、後でね！」



慶ちゃんが遥花と呼ぶ女は少し顔を赤くして、俺の横を通り過ぎる。



その時、また目が合った。



何？俺、何もしてないじゃん。

見られたくないなら、こんなところでイチャついてんじゃねーよ。



俺は少し怪訝な顔だったからか、女はすぐに目を逸らして、俺が入ろうとしている教室へと駆けていった。









教室に入ると、親友のまっすーが声をかけて来た。

そして、俺の隣の席には慶ちゃんの彼女にそっくりな女が俺とまっすーのやり取りを見ている。



でも明らかに別人。

髪型が違う他に、表情が天と地ほどに暗かった。

よく晴れた春の日差しには全く似つかない、雨降りのようなつまらなそうな顔。




貴「こいつ、幼馴染のA。遥花の妹だよ。」

祐「へぇ。さすが双子！妹も可愛いじゃん。俺テゴニャンだよ〜(^^)」



まっすーの幼馴染だからテキトーには扱えないなって思って、明るく挨拶した。

隣の席だし？

顔もそこそこ可愛いし？(笑)



でもこいつは全く愛想のカケラも見せない。



「どーも。長谷川Aです」



何こいつ。可愛くねーの。

これが第一印象。




でも俺はこいつから目が離せなくなった。

だって、俺に話しかけられてるのに、こんな無愛想な返事をする女は初めてだったから。



一目惚れなんて甘ったるいもんじゃない。

なんでこんな暗い顔してるのか、ただそれが気になっただけ。

4〜姉side〜→←2〜貴久side〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す