気まずい２人 (ページ10)

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14年前ー２－【亮side】ページ10

「これで残り１万５０００円や！」

女の子の声が響く。

「せやけど、今月なんやろ？誕生日。間に合うん？」

「んー５０００円はいけると思うねんな、
実力テストよかったらお母さんくれるって言ってたから。
あと１万がなー。」

「Aちゃん、高校生やったら働かせたるねんけどなぁ。」

「ま、どーにか頑張るわ！
それよかおっちゃん、絶っっ対売ったらあかんで！
売ったらしばくで！！」

「そんな勇気あらへんわ。」
圭さんが楽しそうに笑う。

「おしっ！
がんばろっと！
じゃー、お邪魔しました～。」

くるっと振り返り、女の子は出口に向かってパタパタ走っていった。

振り返った時に見えた顔は
想像してたよりずっと若くて、
真っ直ぐに伸びるロングの黒髪と、前髪から覗く大きな目が、

華奢な身体と共に、

なぜかとてつもなく印象に残った。