気まずい２人 (ページ39)

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古着部屋ページ39

ーピンポーン

お兄ちゃんの家に着き、
一応インターホンを押してみる。

応答はない。

言ってた通りまだ帰ってなかったので、
勝手に家の中に入った。

「彼女、
おらんのかな。」

お母さんに、
昔聞いたことはあったけど、
最近の事情はほとんど知らない。

まぁ、
勝手に家入れってぐらいやから、
今はおらんねやろなぁ。

荷物を開けて、
バックに入っているお惣菜を
冷蔵庫に詰めなおしていると、
ＣＤも出てきた。

この前、お兄ちゃんが出したソロアルバムだった。

私が持ってないっていうと、
お母さんが
「日本に戻ってきたならこれからはちゃんと自分で買いなさい！
これはあげるけど。」

そういって通常版と初回盤をご丁寧にくれた。

安定の(以下省略)。

聞きたいなと思って、
開封したものの、
リビングには立派なレコードプレーヤーしかない。

ＰＣはあるけど、
たぶんロックかかってそうだし、
お兄ちゃんといえど、
ＰＣを勝手に見るんは気が引けた。

「ないはずはないねんけどな～。」

そういってうろちょろしてると、
廊下のドアが少し空いていた。

通称・古着部屋。

ここかも。

「お邪魔しまーす。」

そっとはいると、
案の定、棚にＣＤプレーヤーがあった。

リビングよりも小さく、
照明も落ち着いてて、
古着部屋だけはいつもきれいにかたずけられていたから、
居心地がいい。

電源を入れてＣＤをかけると
部屋の真ん中にある亀さんのクッションの横に座って
ぱらぱら歌詞カードを眺めた。