ライブきたら？ ページ20
「ていうか、
横ちゃんどうしたん？」
「ん、
今度のライブの仕込みやねん。
すばるは自宅訪問どっきり。」
「ふふっ、好きやねぇ。
前も、
誕生日で来てへんかったっけ？
DVD見たよ。」
「来た来た。
見てくれてんねんな、ライブ」
座ってていいよっていったのに、
オープンキッチンの向かい側に立ったままで
話してくれてる。
「見てるよ〜。
お母さんがシンガポールにまで送ってくるもん。」
「そっか。」
横ちゃんは、
凄く優しい顔をして話すから、
久々に会う人なのに、
何でも話せてしまいそうな、
そんな気がする。
「すごい、
人気やね、エイト。」
紅茶を淹れて
私と横ちゃんは向い同士に座った。
「え？
いや、まっだまだやで。」
「日本帰ってきてから、
すごい見る…
今日も東京駅でポスター見たし。
テレビも…
ほとんどヒナちゃんやけど笑」
「そやろ、
あいつバケモンみたいやねん。」
横ちゃんは、
くくっと笑って、
「俺らはまだまだやな〜、全然。
上には上がおるし。」
「そっか…」
「Aちゃんも、
日本戻ってきたんやったらまたライブきいや。
ライブはほんま、自信もって、
おすすめできるで。」
そう言って、一口紅茶を飲む横ちゃんは、
お兄ちゃんの普通の友達のままにも見えたし、
全然違う顔にも、見えた。
最後に会ったのは、
いつだっただろう。
そんな事をぼんやり考えていた
私の顔を見て、
横ちゃんが付け足した。
「楽屋には…
別にこんでもいいからさ。」
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作者名：∞mii∞ | 作成日時：2015年9月27日 21時
