14年前ー3−【亮side】 ページ11
「亮。久しぶりやな。」
『久しぶりっす。
圭さん、あの子なんなん?』
「ん〜、取り置き客?」
白い封筒に女の子が置いてった5000円札をしまいながら、
圭さんは言った。
圭さんの話によると、
あの子はお兄さんの20歳の誕生日プレゼントをここで見つけて
ここへ毎月お小遣いをもってきてるらしい。
「今年の初めからやから・・もう8か月目か。
最初にお年玉言うて3万もってきてそれからは毎月ちゃんと5000円もってくるねん。」
『へーええ子やな。
その子があげたいのってどれなん?』
「ん、これ。」
Gジャンやった。
『うそやん、圭さん、これ絶対20万はするやろ!?』
そこまで古着に詳しくない俺でもわかる1点物のビンテージ。
カッコいいダメージだった。
圭さんはにっこり笑って、
「正月セールや。
兄貴に半年以上毎月のお小遣い全額貯めてあげたいなんて、
ええ話やろ?」
この人にはこういうところがある。
『でもあと1万は足れへんねんな?』
「9月末がな、兄ちゃんの誕生日らしいわ。
まぁ、中学生に1万円は大金やからなぁ。どうするかな。」
いたずらっこぽく圭さんは微笑みながらGジャンを畳んだ。
たぶん、この人はあの子のために負けてやるんやろなぁ。
つぶれるで、この店。
その時、
俺の頭にふと浮かんだことがあった。
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作者名:∞mii∞ | 作成日時:2015年9月27日 21時