【名探偵コナン】Maple

LIFE.14 ページ14

.





無線からはガラスが割れる音が聞こえて
当然その音は先輩のおかげで
私の頭上から聞こえてくる

さあ、キュラソー。死んでもらうからね




「先輩お先失礼しま〜〜す！！！」

《呉々も取り逃がすなよ！！俺もお前の車を後からすぐに追う。必ず仕留めろ！》

「了解」




アクセルを踏むと早々に
メーターを振り切ってしまう

さすがキュラソー

一人で来るだけあって運転もピカイチ
でも私や先輩だって、その辺鍛えられていますから




「っと、忘れてた」




先輩との無線を一時的に切って
私は繋がりっ放しの
携帯電話に向かって少し大きめの声で

現状を説明する




「赤井さん、勿論スタンバイオッケーですよね？」

《問題ない》

「じゃあ、そっちからも頼みますね。これで失礼します。あんまり無線切ってると気付かれるので」




携帯電話のGPSはオンのままにして
私は現実味のないスピードで走る
自らの車のアクセルをもっと強く踏んだ

うっわあ、酔いそう




「先輩追いつくの早いですね。裏道使いました？」

《やはり無線を切っていたな立花！！俺はさっき、ちゃんとお前に説明したはずだ！》

「いやだなあ、集中してたんですよ」




追いかけていれば
キュラソーは何度も私達を振り切るべく
いろいろな手法を試してきたが

いよいよキュラソーが行動を起こした




《まさか……ッ！！》

「そのまさかっぽいですよ、トラック使って下の高速に行くつもりですね。追いますか？」

《バカなのかお前は！！コッチは先回りして……》




そんな先輩に、同じ言葉を返す
バカなんですか、と。

すると先輩は私の行動に「立花！！」と

車から身を乗り出して叫んだ




「バカなの降谷く〜〜ん！！私のドライブテクニック！忘れた何て言わせないんだからね〜！」

「お前！！良いから前を見ろ！」




上から車から降りて叫ぶ先輩に
窓からピースにした指を見せて

それからハンドルを握った

ガシャンッなんて嫌な音と共に落下するなり
着地失敗したなあ、なんて嘲笑し
再びキュラソーの車を追った




《バカなのか！一之瀬！！》

「降谷くんってば、一之瀬は旧姓です」

《う、うるさい！！お前が降谷くんとか言うから調子が狂ったんだ！調子に乗るな！》

「すいません。今忙しくなりました」




前方の渋滞をみて考えることは一つ
''逆走''普通本当にやらないだろ
なんて思うことでもキュラソーはやってのける

負けらんないじゃん




「こっちは命懸けだしね」





.

LIFE.15→←LIFE.13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す