胡蝶家末妹は出来損ない【鬼滅の刃】

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『あのーすみません、誰かいらっしゃいませんかー？ 』


声を張り上げて聞いてみるもなんの音もしない


『あのー』


出てこないことに苛つき今度は扉を殴りつけるようにバンバン叩き、叫ぶ


すると突然門が開いた


「…なんだ。」


いつもの様に無表情の水柱様


私は扉に力をかけていたこともあり、前のめりに体勢が崩れそうになってしまった


なんだ じゃないわ


頼むからいきなり開けないでくれ、吃驚したじゃあないか


『姉様から手紙を預かっていますのでお届けに参りました。』


だがしかし柱の方にそんな無礼なことは面と向かって言えないのでペコりと会釈して手紙を差し出す


「……」


一向に受け取る様子がない水柱様


『あの…？ 』


寝てるんじゃないかな、と思うくらい彼はこちらを凝視したまま固まっている


…気まずい









「あぁ、胡蝶のところの末妹か。」


なんとも言えないような長い沈黙の時間が続いた後1人思い出したようにいきなり声を発してきた


いや、受け取れよ


帰れないんですけど


待っていても話が進みそうにないので自分から話しかける


『あの、手紙を───』


「ああ。」


やっとこさ受け取ってくれた水柱様


忘れてたのかよ


本当にあの人って無愛想だよなぁ


いや、天然と言った方が正しい気がする


私も大概人の事は言えないが


ふと手の甲に雫がついた


上を見上げると、とうとうポツリポツリと雨が降ってきた

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