胡蝶家末妹は出来損ない【鬼滅の刃】

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しのぶside


逢魔が時、あの子の鴉が飛んできた


鬼と戦って死んだのだと


どうでもよかった


日頃からそこまで関わりもなかったし


最近は顔も見ていなかったから


あの子のことを妹だと認めることも嫌だった


ふと後ろからトントンと肩を優しく叩かれた


「胡蝶様？」


振り向くとそこにはアオイとカナヲがいた


「大丈夫ですか？」


「なんのこと？」


「あの…」


アオイは言いにくそうに口をどもらせてから意を決した用に問いかけた


「その、何故泣いているのですか？」


泣いている？私が？


そんな訳ない


けれども頬に手を触れたら確かに濡れていた


「大丈夫です。少し1人にさせてください。」


笑顔を心掛け、少し突き放したようにそう言うと二人はしぶしぶというように部屋を出ていった


襖が閉まったのを確認すると魂が抜かれたように広い部屋に座り込んでしまった


冷静に、こんな時こそ冷静にならなくては


頭ではそう思っていても心は正直だ


嫌だ


嫌だ、こんな現実認めたくない


姉さんが死んで今度はあの子までいなくなるの？


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


心の限界を感じた


私はなんて馬鹿なのだろう


結局あの子には何も出来やしなかった


八つ当たりばかりして向き合ってやれなかった


なんであの子に……Aに対して嫌な思いをさせることしか出来なかったのだろう


未練と後悔しかない


だがそれも今となってはもう遅い、遅すぎるのだ


でも……これだけは言わせて


「ごめんね…A……」


溢れる涙は止まらない


お父さん、お母さん、姉さん、A、先に向こうで待っててね


私も…みんなの仇を取ってからすぐ行くね

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