君色パレット (ページ37)

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私は今、動けずにいた。

だって、目の前で

亜嵐くんと女の人が

抱き合ってたから

手は後ろに回してはいないけど

明らかに亜嵐くんが女性を引き寄せていた。

「…………かのじょ、かな……？」

そう捉えてもいい。

だってそれくらい遠目で見ても

女性は美人で綺麗だったから。

亜嵐くんとお似合いすぎる。

モヤモヤを紛らわそうと出かけたはずなのに

モヤモヤは酷くなるだけで

しばらくカフェから出る気にもなれなかった。

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そして、やっぱり帰ろうとして

お会計を済まして

お店のドアを開けると

【雨】

小雨だったけど

なぜだか、今の私の気持ちを

現されているような気がして

嫌だった。

【弱々しくて心が泣いてる】

あぁ、この恋は終わりを告げてるのかな？

そんな気もした。

ふと、私は亜嵐くんがいなくなった世界を

思い浮かべた。

亜嵐くんはいつも私の人生に

色をつけてくれる人だった。

今まで白黒にしか見えなかった

絵までもが鮮やかに彩られる。

やっぱり私は心のどこかで

・

【亜嵐くんを必要としている】

でも、

・

・

もう、諦めないといけないかもしれない。