242 page ページ46
.
甲斐田side
闇魔法で用意された空間はとても静かで、落ち着いた場所だった。
「…………父さん。……、」
堕落したように座ったまま動かない父さん。自分の思い通りにいかないことがこれだけ父さんを動揺させるとは思ってもなかった。
.
.
「……、……、…………僕は、今日をもって父さんとの縁を、切ります。」
甲斐田父「……、!」
「…………、今までは父さんに見放されることが、いちばん怖くて、避けたい事だった。
でも、今は違う。……父さんの考える未来に、きっと僕は存在することが出来ない。」
甲斐田父「……」
「見捨てた、って考えてくれて、構いません。」
藤士郎が震える僕の体を後ろで支えてくれて。
「これまでの全ての支援ももう、必要ありません。」
信頼する暖かい眼差しで僕のことを見つめる景。
「………………今まで育ててくれたこと、感謝してます。」
そして、あの時の漣さんの歌が脳裏からずっと離れない。大きな思いが僕のずっと変えられなかったものを動かしてくれた。
漣さんが、僕を強くしてくれた。
「……最後まで、こんな息子でごめんなさい。
それでも、僕はあの時父さんが僕を褒めてくれた言葉、嘘でも凄く、嬉しかった。
ありがとう、ございました。」
甲斐田父「……っ、は、る、…」
.
.
_______「凄いな晴!お母さんもきっとビックリするだろうな。」
_______「……大丈夫だ。晴は出来損ないなんかじゃない。才能に溢れた、立派な子だ。」
_______「私は、晴を信じてるよ」
きっとあの時の言葉は嘘なんかじゃない。最後に、それだけは、自然とそう思える気がした。
.
.
闇魔法が切れた瞬間、父さんは短時間でも膨大な魔力量の中にいたせいで体に負担がかかり倒れ込むように気を失ってしまった。
景がそれを見かねて倒れ込んだ父さんの体を支え、近くのソファまで運んでくれた。
「……奈幸さん、」
近くにいた彼女の方に向かって声をかける。彼女にも言わなきゃいけないことがあるから。
奈幸「……」
2901人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - 出来たらハッピーエンドがいい……誰も傷ついてほしくないよ(´;ω;`) (10月29日 19時) (レス) @page10 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏 - とても面白いです!!それに面白いだけじゃなく感動するシーンが多く最高です!!特に🌞が追い詰められている時☯が登場するシーンが凄く良くてボロ泣きしました!!無理しない程度で頑張ってください! (8月23日 0時) (レス) @page50 id: d39c5b74a0 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - ほんとに面白くて大好きです😭無理せず、ゆっくりなぴさんのペースで頑張ってください😭💦再新楽しみにしています😭💦 (2022年10月22日 18時) (レス) id: 81c6ba773e (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 最近、読み始めましたがとても面白くて一気に読んでしまいました😊なぴさんの小説とても好きです!無理せずになぴさんのペースで頑張ってください!更新楽しみに待ってます☺️ (2022年10月19日 16時) (レス) @page49 id: 3c3b30c531 (このIDを非表示/違反報告)
深夜美(プロフ) - 更新ありがとうございます。かなりハマって読ませて頂いてます。執筆大変かと思いますが、応援してます!! (2022年10月19日 13時) (レス) @page49 id: 0b75025b92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なぴ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=6cb8663f2f980bc57bbdf32b25f0e2a8...
作成日時:2022年8月17日 0時