237 page ページ41
.
甲斐田 side
僕の目に映る彼女が歌を歌う姿は本当に心から魔法を使うことを楽しんでる様子で、その彼女の気持ちに答えるように歌魔法も美しい景色を生み出していた。
観客はさっきのように拍手で盛り上がったり歓声をあげたりはしてない。
理由は明確で、
＿＿＿＿＿＿＿魅了されてしまったんだ。彼女の歌声に、全神経が、全ての心が攫われていくような。
不信感や批判するような心は全て彼女の歌でかき消された。
甲斐田「……」
前までは隣で、手の届く距離にいたはずの彼女は今では遠く、離れた存在になっていた。
離れていった、と言うより無理やり離したのほうが言葉は正しいのかもしれない。あれだけ僕は彼女に酷い言葉をかけたんだ。
どれだけ突き放されても、彼女は僕をまだ諦めてない。
本当の僕の気持ちをきっと、僕以上にわかってくれているから。
＿＿＿＿＿＿＿あぁ、ダメだな。本当に。
生徒会で彼女に関わってから僕の気持ちは彼女に振り回されっぱなしだ。
どんな時でも強くて、優しい人。
小さい頃と、魔法が発生した時の2回だけ父さんにわがままを言った。結局そのわがままをどちらも最後まで叶えてもらうことは出来なくて僕は父さんに逆らうのを辞めた。
"見放される"というのがその時の僕にとって1番の恐れだったから。
＿＿＿＿＿＿＿でも、今の僕はそれ以上に失いたくないものが目の前にある。
もしも、
この手が、彼女に届くのであれば、＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿僕はそのステージに立ちたい。
みんなと一緒に魔法を使いたい、
視界がぼやけて、涙が頬を伝う。涙は止まらなかった。
甲斐田「……、」
僕の、本当に欲しかったものは、
この赤いネクタイでも、
父さんからかけられる期待でも、
ありふれた才能のある魔法でも、
約束された未来でもない。
＿＿＿＿＿＿＿ずっと、……僕はきっと、
真っ直ぐに彼女の方へ届かない光を求めるように僕は手を伸ばした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2901人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 出来たらハッピーエンドがいい……誰も傷ついてほしくないよ(´；ω；｀) (10月29日 19時) (
レス) @page10 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏 - とても面白いです！！それに面白いだけじゃなく感動するシーンが多く最高です！！特に🌞が追い詰められている時☯が登場するシーンが凄く良くてボロ泣きしました！！無理しない程度で頑張ってください！ (8月23日 0時) (レス) @page50 id: d39c5b74a0 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - ほんとに面白くて大好きです😭無理せず、ゆっくりなぴさんのペースで頑張ってください😭💦再新楽しみにしています😭💦 (2022年10月22日 18時) (レス) id: 81c6ba773e (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 最近、読み始めましたがとても面白くて一気に読んでしまいました😊なぴさんの小説とても好きです！無理せずになぴさんのペースで頑張ってください！更新楽しみに待ってます☺️ (2022年10月19日 16時) (レス) @page49 id: 3c3b30c531 (このIDを非表示/違反報告)
深夜美(プロフ) - 更新ありがとうございます。かなりハマって読ませて頂いてます。執筆大変かと思いますが、応援してます！！ (2022年10月19日 13時) (レス) @page49 id: 0b75025b92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なぴ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=6cb8663f2f980bc57bbdf32b25f0e2a8...
作成日時：2022年8月17日 0時
