オトコマエ ページ26
深山荘には毎日のように大量の段ボールが配達される。その大半がしるこ達に届くファンからの贈り物だ。
受け取った人が気分次第でその人の部屋の前に運んだり運ばなかったりだが、運ばれなかった場合は一階倉庫に収納される。二畳ほどの広さなので定期的に暇のある人がまとめて仕分け、運ぶようになっている。
いちど倉庫を溢れさせ玄関まで到達してしまいAとじらいちゃんで住人の部屋の扉の前いっぱいまで段ボールを積んだことがあり、少しまとまった暇ができると一階倉庫を覗くのが住人たちの習慣になっていた。
「また溜まってきたな……。」
荷物を受け取ったAが倉庫を覗き、顔をしかめて時計を確認した。
かるてと「あ、Aさん荷物受け取ってくれたの？」
後ろからかるてっとに声を掛けられた。
「はい、そろそろ運ばないとと思ってたんです。」
かるてっとはAに続いて倉庫へ入り、分担して仕分けを始めた。
Aは見た目のわりに力持ちだ。さすがに成人男性と同等の筋力はないものの30キロの米を普通に持ち上げる。
A曰く、”田舎者の特権”らしい。都会では米はスーパーで5キロほどを買うのが面倒だ、と言っていた。
なかなか、強いなと思う。
「じゃ、私はしるこさんといちはちさんのものを運びますね。」
Aは当然のようにいちばんプレゼントの届くしるこさんの荷物を運ぼうとするし、普通に運ぶのが早い。
段ボールを運び、中身を整理し、段ボールをまとめる。段ボールが手から滑、
っ、
て
かるてっとの手から滑り落ちた段ボールはまっすぐAのもとへ雪崩れていく。
かるてと「うわっ危ない！」
「うわ！」
Aは咄嗟に足を突き出し、段ボールを足で受け止めた。
「ったぁ〜……大丈夫ですか？！」
かるてと「Aさんこそ大丈夫？！ごめんぼーっとしてた！」
「だいじょぶ……ちょっと痛かった。」
Aがその場にしゃがみ込む。
「あーびっくりした……。」
かるてと「ほんっとごめん……。」
「大丈夫ですよ、痛いよりびっくりしただけです。怪我もしてないしお互い何もなかったし。」
良かった良かった、と胸を撫でおろした。Aが立ち上がる。
「あと少し、頑張りましょう！」
Aは何もなかったように再び段ボールを運び始めた。
咄嗟に足突き出したり俺の心配したり、
正直
正直さ？
かるてと「格好いいよな〜……。」
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みき - 何回も読んでます、素敵な小説ありがとうございます！これからも頑張ってくださいね、応援してます。 (2022年8月21日 17時) (
レス) id: 17c35a2d90 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ましゅまろさん» わわっ無知晒してましたありがとうございます！直ちに修正いたしました！本当にありがとうございます！！ (2022年4月2日 19時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ - 『お庭で』のお話で『沈丁花』という言葉が出てきたんですけどふりがなは『ちんちょうげ』です。細かくてすみません。！ (2022年4月2日 15時) (レス) @page18 id: bcf7c7e9de (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ねぎしさん» ねぎしさん、コメントありがとうございます！なんと……！それは光栄です！ぜひ一緒に応援していきましょう！ (2021年10月20日 17時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
ねぎし - あっ、私も雷平気ですが花火は無理っていう…夢主ちゃんと同じですね、運命かn(((面白かったです！私実はまめこさんの小説見てからBin TRollさんの動画見始めたんです！！つまり、Bin TRollさんの動画見始めたきっかけはまめこさんだったんですよ！（話のオチは…） (2021年10月17日 15時) (レス) @page37 id: 28dad0896f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ | 作成日時：2020年7月12日 12時
