恋煩い。[ 2 ] (ページ10)

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混んでる時間帯じゃなかったからすんなりと入れて、案内された席に向かい合って座る。

「北斗くん何頼む？私はミルクティーにするよ」

『えと、烏龍茶で』

「ふふ、分かった烏龍茶ね」

いつも来ているのか慣れた手つきで注文を取ると、すぐに飲み物がきた。

なんか、笑い方も似てるなぁ……と考えて泣きそうになった所を誤魔化すように口を開いた。

『あの、…なんで、俺のこと』

すると彼女は届いたミルクティーを1口飲んで答えた。

「実はね、慎太郎と従姉弟でよく話す仲なの。」

「慎太郎から聞いてたよ。大我くんの事をすっごく大切に思ってる子がいるって。」

『＿＿＿＿＿＿従姉弟…！？』

｢あはは、びっくりしすぎ！｣と笑う真弥さん。
そんな事気にならないくらいに困惑していた。
慎太郎、そんな事1回も言ってなかった。…あ、いや、そもそもあの話知らないんだろうから仕方ないな

「さっき一応自己紹介したけど…私の事知ってるでしょ？」

『……はい』

「…そうだよね、ごめんね急に。」

「でも、どうしても、貴方に話したいことがあって。」

そう言うと、真剣な顔をして見つめてきた。
その真剣さに、雰囲気に、目が離せなかった。

「この前、大我くんと2人で歩いてたでしょう？……私、その時本当は気づいてたの。正確に言うと、大我くん達が気づく少し前。」

『え……』

「本当は声かけようとか考えた。けど、気づいてないフリしたの。なんでだと思う？」

『分かんない、です』

それはね、と優しい声色で言う真弥さんが次何を言うのか想像もつかなくて、体が強ばった感覚がした。

「北斗くんと話してる大我くん、とっても楽しそうだったからだよ」

だから、2人のこと応援したくなった。私が干渉しちゃいけないなって思わせてくれるくらいに幸せそうで、お似合いだったから。
そう言われた途端に、涙が一滴こぼれた。
それが、安堵なのか、はたまた別のものなのかは分からないけれど。