恋煩い。[ 2 ] (ページ21)

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・京本side

“北斗に会いたい”。

その気持ちで俺の頭の中が支配されていた。

「大我くん、がんばって」

『真弥、』

「今度また話そう？…北斗くんとの惚気話も聞かせてよ」

『……うん、聞かせる。真弥、本当にありがとう』

真弥が来てくれなかったら。

今日話してくれなかったら。

俺はきっとこのまま、気づいているはずの気持ちに無理矢理蓋をして生きていたと思う。

そうさせてくれたのは、紛れもなく、真弥の行動力と、

＿＿＿＿＿＿＿＿北斗だ。

・

とりあえず北斗の教室まで走る。

いつもは廊下を走るなと言われるけれど、文化祭の余韻なのか、あんなに怖い生活指導の先生も笑って見逃してくれている。ずっとそのままでいいのにな、と思ってしまったのも仕方ないと思う。

もう片付けも終わっている時間だから居ないかもしれない。

『…でも、今行かなかったら…っ、後悔する、！』

北斗がいる教室に着くと、何人かの人影が見えた。
居るかは分からないけれど、居なかったとしても誰か一人くらいはどこに行ったか知っているだろう。とドアに手をかけて横にスライドする。

「あれ、大我」

『…高地？』

「俺達もいますよー！」

いつからか一緒に居るようになっていた4人が机やら椅子に座って談笑していた。

「どしたんですか？めっちゃ急いでますけど…」

『っあ、そうだ。…北斗、北斗どこか分かる？』

そう俺が言うと、4人は顔を見合わせて頷いた後、俺に向けて微笑んだ。

「…北斗なら、30分前体育館裏に呼び出されてましたよ。まだ帰ってきてないんで、」

『わかったありがとう』

北斗にどんな反応されるか分からないのに、拒絶されるかもしれないのに。それでも会いたい気持ちが先走って、田中の言葉を遮るように感謝を述べてから体育館の方へ走った。

もう後悔なんてしたくない。

北斗に会って、謝りたい。

今まで傷つけてごめん、気付くのが遅くなってごめん、って。

そして、気持ちを伝えたい。

お前が、＿＿＿＿＿北斗が、いちばん好きだって。