恋煩い。[ 2 ] (ページ17)

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・京本side

困惑を隠しきれない俺の様子を見て困ったように眉を下げて微笑む真弥は、どうしても話したいことがあるから2人きりになりたい、と高地に向かってこれまた困ったように眉を下げて言った。

それにすんなり了承した高地は、去り際に｢ちゃんと話してこいよ｣と俺に耳打ちした。顔は教えていなかったけど、きっと俺の様子と名前で察してくれたんだと思う。

・

2人きりになって少し。
やっぱり別れ方が別れ方だからか、お互い気まずい雰囲気になっている。ここは男の俺から、と行きたいところだけど、どうしたらいいか分からなくてずっと下を向いたままでいる。

「…えっ、と。……元気だった？」

『…うん、真弥は？』

「私も元気にやってるよ。」

そう言ったきり、また続く沈黙。

さすがにこの空気が居心地が悪くて、話題を振ることにした。

『今日…急にどうしたの』

「…あのね。どうしても伝えたいことがあって」

『うん』

「……別れてから今まで、沢山悩ませる事になってごめんなさい。大我くんに会いに行くのが遅くなって、話すことから逃げちゃってごめんなさい。
それと……ずっと私の事を大事に思ってくれて、ありがとう。」

『っ……なんで、なんで真弥が謝るの』

『真弥は……なんも、悪くない。俺のせいで…俺が、気づけなかったから』

「大我くん」

自分でもどんどん気分がどん底に落ちていくのが分かった。当時の事を思い出せば、全て俺が悪いのに、真弥は俺のせいだと責めるどころか、自分が悪いのだと謝ってきた。

「…確かに、あの頃学校に行けなくなったのは虐めに耐えられなくなったから。だけど、それは大我くんのせいじゃないよ。断言出来る。」

『なんでよ、なんでそんなに言い切れるの』

「………大我くんが、あの時の私の、…唯一の支えだったから」

『え、？』

「大我くんは自分のせいだって責めてるかもしれないけど、それは違うよ。…私は、大我くんに毎日救われてた。」