舞

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柾哉side




予選敗退。

悔しくて仕方ないけど、全力で踊りきったから後悔はない。

多分みんなそう思ってる。

泣いてる雄大を抱きしめる威尊とそれを見守ってる匠海。






「匠海、〇〇知らない？」


匠海「トイレ行ったで、多分泣いてる」


「ちょっと見てくるね」


匠海「うん、」





階段を上がれば〇〇の声がする。

やっぱり泣いてる。


トイレに向かう最後の曲がり角を曲がったけどすぐに隠れてしまった。




「っ……、」







洸人が〇〇を抱きしめていたから。



その光景を目の当たりにして色々な感情が一気に襲いかかる。


今日は俺がちゃんと踊れるように、〇〇なりに普段通り接してくれた。

理由がどうであれ、それだけで嬉しかった。

もう二度と話せないと思ってから。

見たら辛いのは分かってるのに目を離すことは出来なくて〇〇と洸人に目を奪われる。

頭では分かってるのに目を離せなかった。


〇〇が洸人の背中に腕をまわした。

…そっか、


















〇〇は洸人のことが好きなんだ。

俺がどれだけ頑張ろうと意味は無い。

それを悟った瞬間、動かなかった体が解放されたように力が抜ける。

ずるずるとしゃがみ込めば、悔しさなのか悲しさなのか分からないけど涙が溢れ出した。

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