大好きでした。 (ページ3)

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『…ーい。おーーーい、Aちゃん？？』

『はっ、はい』

あまりの可愛さに見惚れてしまっていたみたいだ

『やっと気付いた』

そう言って笑う藤牧さんの頬にはえくぼがあった

えくぼは恋の落とし穴とは、うまく言ったもんだ

『そんで、ここで基本的に一年生は練習してもらいます。最初のうちは一年生だけでバンドを組んで貰うんだけど、少し慣れてきたら、先輩バンドから引き抜かれたり、抜かれなかったりするね』

『引き抜き…』

残酷なやり方だ

『そそ、Aちゃんも引き抜かれたりするかもね』

『藤牧さんは、引き抜かれたんですか？』

『そうだね。ありがたいことに。てか、まず”さん”は硬すぎるから”先輩”ね』

『藤牧先輩！』

『苗字で呼ぶのもだめ、京介で』

『え、いいんですか？』

『うん、じゃないと返事しないよ〜、じゃここで一年生同士でお話ししててね』

イタズラに笑い、京介先輩はどこかへ行ってしまった