4.降臨 ページ6
｢…見て見ぬ振りをしておこう。｣
流石に勝手に返すわけにはいかない。
小さく呟き部屋に戻る。
ちゃんと誤魔化してくれるのだろうか。
不安すぎる。
そんな事を思いながら終わらせていなかった課題を始めた。
ふと気が付くと11時半。
課題が終わった後他にわからない所を調べていたらこんな時間になってしまった。
兄は起きているだろうか。
ふと気になってリビングに行ってみた。
するとそこには先程と変わらぬ場所に兄が寝ていた。
ほっと安心して部屋に戻ろうとするとぴんぽん、と機械音が鳴った。チャイムだ。
こんな夜遅くに来るなんて。
誰だろう、と思い覗き穴から見てみるとそこにいたのは千さんだった。
｢…千さん何の用ですか？お兄ちゃんなら寝てますよ。｣
｢お兄ちゃん？｣
ふとみると千さんの後に誰か人がいる。
｢………うわぁ…TRIGGERの九条天…｣
まさかのアイドル様降臨。
思わず口にするとこらこら、と千さんが。
そう言うつもりじゃなかったのに睨まれた。
｢…スーパースターのあなたがたが何用でここに？｣
｢千さんに家に来るように言われたのにスタジオに鍵忘れたんだって。貴女は？｣
やっぱり千さんアホだった。
にこり、と悪魔のような笑みを見せつつ私を見てくる九条さん。
｢…はぁ、始めましてTRIGGERのセンターさん。春原Aです。いつも兄がお世話になってます。｣
ぺこ、と礼をすると本当に妹なんだ、と呟かれる。
｢よし、自己紹介も済んだ所だし中に入ろうか。｣
｢何故千さんを入れる前提で話しているんですか。お兄ちゃん寝てるって言ってるじゃないですか。そもそも今何時だと思ってるんですか。よい子は寝る時間ですよ｣
｢じゃあそんな時間にAさんは何をしてたの？出たってことは起きてたって事でしょう。｣
｢はぁ、勉強してました。わからない所を調べていたらこんな時間ですよ。｣
とりあえず寒い。
仕方ないから中に入れてあげよう。
兄が寝てるから静かに。
本当いきなり来るのはやめて欲しい。
どうせ晩御飯も食べてないんだろう。
｢千さん、ハンバーグしかありませんからね。｣
｢えー。｣
続く (更新停止中)
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作者名：ふらっと♭ | 作成日時：2018年1月30日 21時
