[IDOLiSH7]ただのクラスメイトですから。 (ページ4)

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2.借りたノートページ4

｢お邪魔します…。｣

これはまずい。
IDOLiSH7のメンバーの方々がこちらをガン見。
そこにはクラスメイトである四葉環の姿も。

｢あれ、春っち。なしたん？｣

｢四葉さん、こんばんは。和泉さんにお借りしたノートを返し忘れてしまったので…。｣

質問にそう答えるとあー、と声を出した。

｢いおりん今買い出し行ってていねーよ。｣

｢は、マジか…。では四葉さんこれ渡しておいてください。｣

通りで姿が見えないと思った。
ずい、とノートを差し出しながらそう伝えてはじっと見つめる。

｢えーやだ。春っち自分で渡せばいいじゃん。｣

｢だめです。外で兄に待ってもらってるので。｣

じゃあ兄ちゃんも連れてこいよ、と告げる彼。
いややなんだけど。
せっかくバレないようにしてたのに。
ここでバラしたら全てが水の泡になってしまうではないか。

｢…兄は大のIDOLiSH7ファンで…ここに来たら二階堂大和さんを押し倒しますけど…｣

｢タマ、お前が渡してやれ。｣

即答とはまさにこの事だろう。
我ながらよくこんな嘘を思いついたな。
おかげでノートを受け取ってもらえたのだが。
帰ろうと玄関に向かうとちょうどドアが開いた。

｢…春原さん？何してるんですか？｣

おっと。
なんてナイスタイミングなんだろうか。

｢和泉さんに貸していただいたノートを返しに来たんです。｣

｢そうでしたか。貴方私がアイドルという事知ってたんですね。｣

｢え…。そりゃあ有名ですし…。｣

私の言葉を聞くとてっきり興味ないのかと思ってました、と呟かれる。

｢学校では普通に話しかけてきますし…。｣

｢プライベートと仕事は別でしょう？｣

この人は一体何を言っているのだろうか。
それくらい普通だろう。
クラスメイトなのだから。

｢…そうですね。ありがとうございます。｣

そう話していると後から声が聞こえた。

｢一織〜…ってあれ？その子さっき環が言ってた…｣

｢…和泉三月さん…。誰かに批判されたとしてもどこかに必ずあなたを応援してる方がいます。頑張ってくださいね。｣

掲示板等を見ていると批判されることが多い彼。
どこかなく応援したくなってしまう。
まぁここなの声やってるってのが1番大きいのだが。

｢…おう、ありがとな！｣

にこ、と優しい笑みを浮かべる彼。
なんとなく兄と重なって見えたのは自分だけの秘密にしておこう。