1.出発 ページ3
｢って事で天鵞絨町までれっつらごー。｣
朝早くから起こされては弁当やらおやつやらの用意をし、寝起きが悪い環の為に王様プリンを買いに走りととにかく既にクタクタになっているものの、
つい先日天鵞絨町へ泊まり込みのツアーをすると聞き念の為と一緒に行くことにしたため仕方なく。仕方なく、荷物を車に詰め込む。
mezzoのマネージャーをしている大神さんにはその間事務の方に回ってもらうようになっている。
｢…ごめん、つむちゃん、うち起きるまで運転お願いしてもいい？｣
｢勿論です！と言うかAさんちゃんと寝てください!!｣
色々と忙し過ぎて余りねれなかったのもあり運転は彼らのマネージャーである紡ちゃんに頼むことにした。
流石にこの状態で運転するのは事故る可能性が大きくなってしまう。
なので代わってもらった。
と、言うことで天鵞絨町へ出発した。
｢こらお前らうるせーぞ！Aさん寝てるんだから静かにしてろ！｣
｢そーだぞー。お兄さんも寝るから静かになー。｣
そんな声を小耳にしながら目を閉じている。
いや、少し前くらいに起きたのだがまぁまだ寝れるだろうと目を瞑ったままなのである。
まだ眠いし仕方ないではないか。
そんな言い訳を脳内でしつつ会話に耳を傾け続ける。
あ、因みに宿泊させて頂くのはMANKAIカンパニーのMANKAI寮って所らしい。
こんな人数泊めさせてくれるなんてどれだけの広さなんだろうか。
不安で仕方ない。
｢はぁ…無理しねぇでちゃんと言えって言ってんのに…｣
そう言いながら頭を撫でてくれている三月くん。
めちゃくちゃままだ。
母性を感じずにはいられないと言うか。
試しに擦り寄って見れば何となく雰囲気が和らいだのを感じた。
｢…和むね！｣
｢そうだね｣
｢いおりん何写真撮ってんの？｣
｢四葉さん黙ってください。｣
一織くんから後で写真を送ってもらおう、と心に決めた事はさておきそろそろ到着するらしく
つむちゃんが声をかけた。
｢お待たせしました！皆さんそろそろ着きますよ！｣
その言葉を聞いたとたん起きろ、と優しく三月くんが起こし始めた。
｢やっぱ三月くん可愛いね。ままだね。結婚しよう。｣
｢うわ、起きてたのかよ!?｣
瞬間的に抱きつきつらつらとお決まりとも言える言葉を投げかけては可愛らしい反応に笑みを浮かべる。
手を離しては外を眺め小さく深呼吸をする。
大丈夫。うちなら出来る。
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作者名：ふらっと♭ | 作成日時：2018年1月24日 15時
