×× ページ10
××
少年は意気揚々と扉を開く
それは自身の父親に言いつけられたように、かの有名な『ハリー･ポッター』と接触するため
しかし、少年___ドラコ・マルフォイが入ったコンパートは別の誰かがいた
窓に寄りかかって眠っている少女
柔らかい毛並みのブロンドには、見覚えがあった
書店で会った女の子だ。名前を聞く前に急いで走り去ってしまったものだから、名前は知らないのだけど。
「静かに開けるからリウじゃないとは思ったけど。相変わらず綺麗な髪ね」
少女、Aもまた彼の綺麗な髪を憶えていた
彼女の言うように、大きな音は立てていないはずなのに目覚めの良さに少し驚く
そのコンパートには少女ひとりだったけど、ひとりで食べるにはあまりに多いお菓子が椅子に散らばっている
「キミ一人か？」
「ううん、二人だったんだけど...生憎お散歩に行っちゃった」
「そのお菓子の量はさすがにひとりじゃないか」
Aの向かいの椅子に散らばったお菓子たち
どれも開封済みで、捨てるには勿体無い量が残っている
「飽きちゃってもう食べれないの。だから片割れにあとは食べてもらうつもりだったんだけど...えと....いる？」
後ろから注がれる熱視線に思わずそう聞いた
ドラコの後ろにいた二人の男の子は、遠慮なくそのお菓子を両手に抱えて食べだした
「君は私の隣においでよ。狭いだろうし」
「こいつらは場所をとるからな」
「ふふ、仲が良くていいね。君たちの名前は？」
「仲がいい？...まあいい、こいつらはゴイルとクラッブ。拭くものとかはあるかい？こいつらの食べ方は汚いからね」
「あはは...それはそうかも」
ぼろぼろとこぼされる食べかすを見て苦笑した
リウが帰ってくる前に絶対に片付けないと、一気に不機嫌になるであろう汚し方だ
「それと...僕はマルフォイ、ドラコ・マルフォイだ」
「ドラコ、マルフォイ...ああ、マルフォイ家の。私はA、よろしく」
ファミリーネームを名乗らなかった彼女に、少しだけ違和感を抱く
マルフォイ家を知っているならマグルではないだろうが
普段なら絶対に家のことを聞いていたし、どこの家の子供なのかも聞いていた。それくらい彼にとって家柄は大事だった
だが、彼だってまだ子供だ。ホグワーツの入学式というのもあって、少し浮かれていたこともあったのだろう。
彼が家族について聞く事は無かった
××
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらげ(プロフ) - ゆばちゃむさん» コメントありがとうございます。続きを更新したつもりがコピーしていた非公開のお話が公開済みになってしまっていたようです。ご指摘ありがとうございます、助かりました;;修正後本来のお話を公開致します (2月9日 18時) (
レス) id: ecfffd224b (このIDを非表示/違反報告)
ゆばちゃむ(プロフ) - 初コメ失礼します！とても素晴らしい作品を読めてとっても嬉しいですありがとうございます！最新話が2個前の話と同じ内容ですがこれはバグなのでしょうか、？もしお時間あれば確認してくださるとありがたいです！ (2月9日 18時) (レス) @page18 id: 56d433994e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くらげ | 作成日時：2023年9月13日 14時
