×× ページ18
＿＿＿
「何してるの？ほら、手」
目の前の子供は心配そうに
差し出された手は、生気を感じさせないほどに真っ白だ
「聞いたんだ、あの話」
自分の意思とは関係なく口が動いた
「なんの話？」
目の前の子はただ不思議そうに首を傾げた
「＿＿」
動く口とは正反対に、自分が何を言ったのか聞き取れなかった。まるで声を発していないように、ただ口だけが動いた
それでも自分は声を発せていたようで、目の前の子は酷く動揺したように見えた
「....なら、どっちが？」
強く握られた手は少し痛かった
じっとりとした体温に、生きているのだと実感した
＿＿＿
揺れる体に意識が段々と覚めていく
まだ怠い体に鞭打って起き上がった
「もう起きる時間じゃない？他の子もそうだけど」
癖のある栗色の髪が特徴の女の子
時計を見てみれば身だしなみを整えるには十分の時間だった。少し早い気もしたが、この子にとって丁度いい時間に起こしてくれたのだろう
「起こしてくれてありがとう。おはようグレンジャー」
お礼を言った彼女に思わず目を剥いたのは仕方の無いことだと思う。昨夜自己紹介をしてる中、A･セレバトナだけ気絶するように眠ったため名前を知られていると思わなかったのだ
「私の名前知ってたの？」
「え？だって組み分けの時に名前呼ばれてたでしょう」
まさか、あの一瞬で全員の名前を憶えたというの？
偶然私の名前だけを憶えてたんだわ。彼女でもジョークを言うのね
Aの言葉を冗談だと受け取ったハーマイオニーは、皆が敬遠していたセレバトナも冗談を言うような普通の女の子であることにほっとした
「もう起きる時間だよ」
なかなか起きないラベンダーの体を揺さぶる度に、彼女のゆるくカールされた髪が動いて視界に入る
クルクルとした髪は癖っ毛なのだろう、それでも顔の可愛い彼女には似合っていた
櫛の通らない自分の頑固な髪を見て恨めしく思う
「おはよう」
「おはよう....早起きなのね」
「いいえ？グレンジャーが起こしてくれたの。.....ああ待って、二度寝したらだめ」
ルームメイトと既に仲良くなっている彼女を見て、『天は二物を与えず』なんて嘘だと思った
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くらげ(プロフ) - ゆばちゃむさん» コメントありがとうございます。続きを更新したつもりがコピーしていた非公開のお話が公開済みになってしまっていたようです。ご指摘ありがとうございます、助かりました;;修正後本来のお話を公開致します (2月9日 18時) (
レス) id: ecfffd224b (このIDを非表示/違反報告)
ゆばちゃむ(プロフ) - 初コメ失礼します！とても素晴らしい作品を読めてとっても嬉しいですありがとうございます！最新話が2個前の話と同じ内容ですがこれはバグなのでしょうか、？もしお時間あれば確認してくださるとありがたいです！ (2月9日 18時) (レス) @page18 id: 56d433994e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ | 作成日時：2023年9月13日 14時
