平滝夜叉丸 後悔はないのか? ページ25
学園長から出された課題は、達成することは出来なかった。
わたしは、忍術学園四年生の中で教科の成績が一番なら実技の成績も一番!平滝夜叉丸なのに。
一人の人間の女を、救いだすことができなかった
わたしは、あの女、ツキヨタケAではないから、彼女の気持ちが分からない
なぜ、あの時包丁を腹に刺したのか
もしわたしが、彼女の立場だったのならばそうはしないだろう
わたしだったら、まず憎む敵に一太刀入れてから自害する。なぜ彼女は学園長に何もしなかったんだ。
彼女に後悔はないのか。とあの日以降、考えることがあったりする。
なんだかこう、スッキリしないのだ
彼女が死んでも、学園はいつも通り変わらない。学園長は変な思い付きをまた考えるし。伊作先輩はまた不運にあうし。わたしもわたしとて今日も美しい!!
喜八郎は……、そうだ、喜八郎はどこだ?
◇◇
「こんなところに居たのか、喜八郎。」
「おやまぁ、滝夜叉丸」
喜八郎は、ツキヨタケAの墓に花を添えていた。あの穴掘り小僧がこんなことをするのか
そういえば、彼女を墓穴に埋めたのは喜八郎だった。あの時の喜八郎の顔ときたらもう、わたしがはじめてみる顔をしていた。
「彼女は‥‥、後悔はなかったのだろうか。
憎む相手を殺さずに、逝ってしまって」
「さぁ?死んだら聞いてみたら。
まぁ、でも少なくとも、この最高の墓穴で埋葬されたんだから、きっと大丈夫だよ」
「‥‥‥‥そう、か。」
死んだら聞いてみたら。なんて、その頃にはもうきっと、彼女のことなんて、覚えていない
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作者名:優奈 | 作成日時:2023年8月31日 0時