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善法寺伊作 どうか安らかに ページ22
なんで、あの時、咄嗟に前に出て
止められなかったんだろう＿＿＿
彼女が死んだあと
その腹から包丁をゆっくりと引き出した
もう体温は冷たくなっていた
彼女の顔をみると
幸せな顔をしていて、胸がきつく締まった
そうだよね。妹さんに逢えるもんね
喜八郎に、墓穴を掘るように頼むと
すぐに、穴が完成した。
さすが、穴掘り小僧と呼ばれるだけの
ことはある。
喜八郎が、彼女を入れ込むと
花畑の花を多く摘み彼女の周りを
花で囲った。不思議だな
体温もないし冷たいのに、こんなに幸せ
そうで、生きているみたい。
喜八郎が彼女を埋め終えた後、
手を合わせた。
＿＿助けられなくてごめんなさい。
どうか、安らかに。
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作者名：優奈 | 作成日時：2023年8月31日 0時
