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恥ずかしいじゃないの ページ19
着物の懐から、小さな簪を取り出して
泣きながらそれを抱えて膝づく
簪は花の形がをしていて、この花畑で
一番多い 花 だ。
＿＿＿お姉ちゃん、早く来て、復讐とか。
もう良いよ、殺しちゃだめ
私の体を誰かが抱きしめた
妹だった
妹の香りが鼻にふっと入ってきた
懐かしい香りだ
簪を花畑に落とし
なにを思ったのか私は
お殿様から貰った斬れ味の良い包丁を
取り出して、
自分の腹に勢いよく指した＿＿＿
桃色の着物が赤で埋めつくされる
痛みで体が花畑に静かに倒れた。妹の
香りはすっかり、なくなって、花の香りが強くした
出血は止まらず、私が呼吸をする度に
血は出てくる。
「死なないでください！耐えて！」
気がつけば、私の傷口の周囲を血相を変えて布で抑えている保健委員の「伊作先輩」という青年がいる。
その周りを見れば
私を取り囲む生徒たちが大勢見えた
1人1人の顔が良く見える
その中には 私が誘拐した乱太郎くんも
居た。目には涙を浮かべている
こんな最低な私にも、泣いてくれるんだね＿
「…早く明美のところへ」
そう言い残してゆっくりと私は
瞼を降ろす
変わらず生徒たちは私をずっと見ていた。
それは、なぜか、悲しそうな、怒ってそうな。
＿＿やだな。やっぱり全員なんて呼ばない方がよかった。そんなに見られると
恥ずかしいじゃないの＿＿
朦朧としていく意識の中で
必至に叫んぶ青年の声が聞こえたが遠くなって行って、
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作者名：優奈 | 作成日時：2023年8月31日 0時
