妹と大川平次渦正という忍者 ページ1
城が焼け、赤色の部屋には焦げ付く嫌な
臭いが巡回を止めない
私の腕で目を閉じているのはは私の愛おしの
たった1人の妹
「明美…!起きてよ…起きてよぉ…」
妹を抱えながら絶え間ない涙が目から溢れ出した。もうすぐそこまで火は迫ってきて
いるというのに、早く逃げなければいけないのに
動けなかった
煙が灰の中に入り大きく、ゴホゴホと
席をする
その咳の音に誰かが気づいたのか
まだ燃えている襖を勢いよく開け男が
入ってきた。
その男は私と妹、2人を抱えて
炎上していた城から脱出した。
それからのことはショックが大きすぎて よく覚えていない。
たしかあの後妹は土に埋められて
助けてくれた男の人は私に「どこか遠い場所で暮らしなさい。命が欲しかったらね」
と言い残してすぐにその場を去ってしまった。
私はお礼がいえなかったこと、いまでも
後悔している、命の恩人なのに…
こんなことを思い出したくないけれど、
この焦げた妹の簪を見ると思い出してしまうよ。
思い出すと同時に心から強い憎悪が
吹き出してくる。
忘れられない、あの時、聞いた、あの名前
大川平次渦正
妹が刺された時に一緒にいた父が言ってた、
「…大川平次渦正ッ!」
その名を口にした後、妹を刺した忍者は
父と母をまた刺し、私には目もくれず
立ち去ってしまった。
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作者名:優奈 | 作成日時:2023年8月31日 0時