set 6 ロミオとシンデレラ【逢坂壮五】 ページ16
高い塀に囲まれ、鳥籠のような家の中
窓の外には鳥たちが飛び交っている
なんて自由なんだろう
私とは大違い
誰か、私を連れ出して
こんな窮屈なところから、救い出して
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『お父様、お母様、おやすみなさい』
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい、A」
2人は眠そうな顔つきで言った
そうそう、大人はもう寝る時間よ
せいぜい良い夢を見るといいわ
そんなことを思いながら、二人を見送った
素早く自分の部屋に行き、急いで服を着替えた
今日は、お手伝いさんが少ない
それを狙って、外に抜け出す作戦を実行した
思いのほか上手く行き、私は家から脱出することに成功
くるりと方向転換をし、目的地へと急いだ
夜の街を走り抜ける
今まで夜に外に出歩くことは体験したことがなくて、緊張感が高まる
オートロック式のマンションを突破し、いよいよ目的地に着いた
私はある一室に足を踏み入れた
『壮五さん!!会いたかった!』
壮五さんに思いっきり抱きついた
「Aちゃん…!びっくりしたよ、こんな時間に来るなんて。家は?大丈夫なの?」
『大丈夫!朝までに帰ればバレない!』
「そう、来てくれるのはうれしいけど、夜は危ないから気をつけてね」
心配そうな顔をしながら、私の頬に触れた
.
『ん、』
ベッドに横になり、お互いの唇を重ねる
重ねる度に、どんどん深くキスを落とされた
『ん、んぅ…っ』
自分の口から漏れ出す声が恥ずかしくなり、無意識に素足を絡める
息をするのが苦しくなり、むせ返った
『ちょっと、まってっ』
「ご、ごめんAちゃん」
こういうことをするのは、壮五さんが初めてだから、当然慣れてない
それに、子供の頃からママに甘やかされて、痛いのは嫌いなの
だから、たんと優しくして
「今日はここまでにしようか」
『えっ、』
「この先をすると、多分僕は止められそうにない…」
『止まらくていいよ。教えて?私、知らないの、この先のことも何も…だから』
足りない、もっと知りたい
壮五さんのこと、まだ何も知らない
貴方のことを全部知りたい、貴方の全てを私に見せて
貴方になら、私の全てを教えていいから…
壮五さんの腕の中で一人思う
.
今夜はどこまでいけるかな?
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作者名:ひな x他1人 | 作成日時:2018年5月1日 0時