𝟐𝟏 ページ22
時刻は22時。晴人は私にもたれて眠ってしまい、実質2人きりのような感覚だった
晴人にこのドキドキがバレてなかったらいいけど
「ほんまに、えーお姉さんやな」
『なんで?どこが?』
「だって、今も文句も言わんともたれさせてるし、晴人があんまり食べへんからって体調悪い?ダイエット?って気遣って。あのビデオメッセージも。俺感動した。」
『 …なんか、お恥ずかしい』
「俺より年下の2人の、そーゆー絆?みたいなん見ると俺も頑張ろってめっちゃ思える」
💜くんがええお姉さんやってずっと言ってくれる
『…ありがとう。晴人とは8個も離れてるから、生意気やけど可愛い弟っていうのが離れなくて。多分一生可愛い弟やけど。あんな小さな子が1人でこんななるまで頑張って、ちゃんと生きて私の横で寝てるのがほんまに安心して、、、』
だんだん脈絡のない文になっているのは気付いている
感情が高まってしまっている
弟の前では堪えた涙が今になって溢れ出てきてしまった
『、、っ、、晴人は溜め込むような子じゃないから、、家帰ってきたらすぐ、「ねーちゃん聞いて!ママ聞いて!パパ聞いて!」、、
だから、韓国でもやっていけるって信じてた、けど、』
韓国に行ってから、晴人とは毎日欠かさず電話した
安否確認のようなもので10秒で終わる日もあった
それが、電話に出ない日が続いたことがあった
何かあったら絶対教えてくれるあの子が、と思うと無性に心配になり、生きた心地がしなかった
本気で韓国に行く準備も、両親と進めた
『、、そしたら、急に電話かけてきて、、、泣きながら、「ねーちゃん、聞いて」って、消えそうな声で』
いつのまにか💜くんは、私の横にいて、長い腕で晴人ごと抱き寄せてくれた
『辛いことがあったけど、弱いとこ見せたくなくて、いつもみたいに元気に話せないから電話に出んかったって教えてくれた』
こんな話、家族以外にしたことはない
晴人の名誉もあるし、弟がアイドル目指してる知り合いもいないから、話したところで相手も困惑するだけだ
『何もできなかった自分が悔しくて、心配しかできないのが申し訳ない、大切な弟なのに』
弟の辛さが分かる、この人になら、、と
自分の無力さを初めて誰かに吐き出せた
💜くんはただ横で静かに話を聞いてくれた
私の涙をティッシュで拭いたり背中をさすったり
その手がとても暖かくて、さすが私の推しと思った
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作者名:あんに | 作成日時:2023年10月31日 23時