𝟏𝟗 ページ20
…くそぅ、今日に限って長引いた！
集合時刻18時、今は20時
集まって2時間なんて、ひと盛り上がりしてまどろみの時間帯、晴人はもう寝る時間かもしれない！！
本当なら家(紗奈の家)に一旦帰って、軽く支度をして行こうと思っていたのに！
今の私はスーツに薄化粧、髪はクリップで留めただけ
最悪だ、と思いつつ病院から直行するしかないので
つかまえたタクシーに乗る
『もしもし晴人？ごめん、今仕事終わったんやけど、向かってもええ？もうお開きするかな！？』
晴人「いや、まだまだおるから来て笑」
あ、なんか、電話の奥で推しの声が聞こえる
なんだこの世界線
幸せがカンストしている
晴人「(え？うん、ねーちゃん。なんか言う？)
あ、もしもしねーちゃん？こじけんさんにかわる！」
いやまてまてまて、まって！
なぜ？！？！
まだ心の準備が…
思わずスマホを持つ手に力が入る
💜「…もしもし、🟣です、、」
前は直接会話したくせに、電話でも余裕で声が出ない
💜「あの、Aさん、？」
『…ッはい、Aです、、、あの、遅くなってすみません、、、』
💜「お気になさらず！仕事お疲れ様です
僕のことは気にしなくて良いので、ゆっくり来てください
晴人くんは僕がしっかり守ります！
(はい、晴人)」
晴人「じゃー、ねーちゃん、切るから」
通話終了の画面をしばらく眺める
研修が辛すぎて心構えが全くできてなかった
私は今から推しに会うのだ
弟との感動の再会と共に。
紗奈ちゃんに、帰りが遅くなることをLINEし
パウダーとリップの塗り直しを試みる
もうすぐ会えてしまう、こんなにも緊張し苦しいとは
逆に憂鬱で、帰りたくなった
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作者名：あんに | 作成日時：2023年10月31日 23時
