蝶屋敷の食事係の私と霞柱の間に子供ができた件。弐【時透無一郎】

参拾玖ノ話 ページ43

美月side



天｢う"ぅ…｣



痛い…苦しい。




…横になっても、仰向きでも、



お腹が重くて苦しい。





なんでこんなに痛いの…?!




私は何故か湧き上がる宛もない怒りを抑えるのに必死だった。






無｢…美月…！どれだけ強く握ってもいいから！｣



そう言って無一郎さんは手を握ってくれる。


天｢…ハァッ…ありがとう…ございます…ッ…！｣


私が苦しげに礼を言うと、無一郎さんは



無｢…無理して言わなくていいよ｣


と言う。





なんて優しい人なんだろう…？




この人を喜ばせるためなら、


私はどれだけの痛みにも耐えてみせる。







でもッ…！



早く、生まれてきて…！





するとしのぶ姉さんが私に話しかけた。



胡｢…美月、苦しいと思いますが今の痛みが1度引いたら食事をとりましょう


これから長くなりますから体力を温存しておかなければいけません。｣




天｢…分かりました……｣



私の額に流れる汗をアオイちゃんが拭ってくれる。


今の私にはその行為までもが神様のように思えた。

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