参拾弐ノ話 ページ36
無一郎side
…美月は今、栄養剤を投与されて眠っている。
また心配かけてしまった。
……情けなくて、思わずぐっと目を瞑る。
自分を責めたくなるが、
そんなことしたらきっと美月は悲しむに違いない。
…美月は、優しすぎるから。
本音で、怒って欲しい。
もっと、わがままを言って欲しい。
…ずっと、笑っていてほしい。
僕が、美月を必ず守らなきゃいけない。
これからは、心配をかけるようなことは必ずしない。
そう誓った。
…1日後、美月は目を覚ました。
ゆっくりと長い睫毛を押し上げた美月は、
眠りから覚めた他国の姫君のようだった…。
無｢おはよう、美月…。目が覚めたみたいだね｣
美月は焦点の合わない瞳でこちらをボーッと見つめる。
すると次の瞬間、美月はパチリと目を見開き、
ガバリと起き上がった。
無｢…美月?!駄目だよ急に動いちゃ！
…美月…？｣
美月の顔に焦点を移すと彼女は黙って泣いていた。
大きな瞳から零れた涙は、美月の手を握っていた僕の手の甲にぽたりと落ちる。
天｢…む…いちろう、さん、…！
おかえりなさい…！｣
美月は昨日の夜のことはあまり覚えていないらしかった。
2日間寝ていなかったのだから無理もない。
無｢…ただいま、美月。
心配かけたよね、もう、大丈夫だよ？
僕はちゃんと生きてるから｣
僕がそう言うと美月は急に抱きついてきた。
彼女のものとは思えない力で…。
天｢…生きてますね…ッ
温かいもん。無事に帰ってきてくれて、
ありがとう…｣
美月の涙は止まることを知らず…
僕の隊服に大きな染みを作った。
…僕はそんな美月をもっと強く抱きしめた。
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シルバーウルフ - 凄く面白くて一気に読ませてもらいました。更新楽しみに待ってます！！！！(^ω^) (2020年11月17日 13時) (
レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬あまね(プロフ) - 吸血鬼と人間のハーフくんさん» コメント有難う御座います…！感動して頂けるようにあれこれ考えながら書いていたのでとても嬉しいです…！ (2020年7月12日 21時) (レス) id: 11380dd944 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬あまね(プロフ) - シバさん» コメント有難う御座います…！夢主ちゃん頑張りました！ (2020年7月12日 21時) (レス) id: 11380dd944 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬あまね(プロフ) - あおいつばめさん» コメント有難う御座います…！感動して頂けてたようで幸いです。 (2020年7月12日 21時) (レス) id: 11380dd944 (このIDを非表示/違反報告)
吸血鬼と人間のハーフくん - う、う、う、うぅ、、産まれたァァァァァァ！！！もう、お兄ちゃん感動したよ！おめでたっすな！(о´∀`о) (2020年7月12日 2時) (レス) id: 315c812a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水瀬あまね | 作成日時：2020年6月6日 10時
