霞柱の許嫁が蝶屋敷の食事係の私だった件。【時透無一郎】

拾壱ノ話 ページ12

嬉しかった。


あんな温もりを感じたのはいつぶりだろうか。





安心する声、優しい温もり…





不器用な優しさが身に染みる。








なんだろう…？


この感覚。




カナヲやしのぶ姉さんに感じるのとはまた違う感覚…。




不思議だなぁ






ハッ朝?!



目を覚ますと横で静かな寝息を立てて眠る霞柱様の姿がある。





天｢…霞柱様ぁ〜朝ですよ〜？｣



無｢ん〜もうちょっと…｣




そう言って布団を被った霞柱様の掛け布団をひっぺがすと、霞柱様は



無｢ん〜美月寒い〜｣



とさらりと私の下の名前を呼んだのだ。



天｢………霞柱様…？///｣






無｢…ん？何…？｣



天｢…な、名前………///｣





無｢…ああ、別にいいじゃん…？

ていうか美月、酷い顔だよ？｣ｱﾊﾊ





そう話を逸らし、私の腫れた顔を見て笑った。



天｢…霞柱様も同じですよ?!｣




私がムキになって言い返すと、



無｢じゃあお揃いだね？｣

とからかってくる。







天｢…ッ///からかわないでください！霞柱様！｣



私がそう言うと霞柱様はまたこういい私をからかった。

この時私の顔は真っ赤に染まっていたと思う。



無｢どうしたの？顔赤いよ…？


あと、もう『霞柱様』なんて堅苦しい呼び方ナシね。


…美月にも、名前で呼んで欲しい…｣




ダメ？というような目で見られる。


天｢わっ分かりましたよっ…！

と…時透さん…？｣




私が顔を真っ赤にして言うと、

霞柱様はまたニヤリと黒い笑みを浮かべ、




無｢苗字じゃなくて、名前がいいって言ったんだけど…？｣


とまた私をからかった。




でも私もこれ以上折れる訳にはいかない。


私は霞柱様を名前で呼べるような立場じゃないのだ。




天｢…まだ無理ですっ…ゆ、許してください…｣

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