霞柱の許嫁が蝶屋敷の食事係の私だった件。【時透無一郎】

弐拾陸ノ話 #告白 ページ30

次の日、時透さんは目を覚ました。




私が顔を埋もれさせていたところが

涙でシミになっていて申し訳なかったが…。




なんだか時透さんは全快の様子だ。



…私は知らなかったけれど、


柱の方々は怪我の治りが早いらしい。




………そうだ、私の想いを打ち明けないと…。



私が口を開こうとすると、


時透さんは私を縁側での日向ぼっこに誘った。





無｢ねえ、日向ぼっこしに行こうよ｣



天｢…はい…！行きましょう！｣




私たちは縁側に腰を下ろすと


話し始める。





天｢…私、時透さん…死んじゃうのかって思いました｣



私が呟くと、時透さんは笑って言った。


無｢だから、僕は君をおいて死んだりしないよ…？
僕一応柱だしね？｣






無｢…初めて、出来た1番大切な人だから。｣



天｢…え……？｣



そう言うと時透さんは私の方にガバっと体ごと顔を向けると言った。




無｢これから、僕の1番の秘密を…

打ち明けるよ……？｣




秘密…？



まだあなたには私の知らない『秘密』があるの？




天｢…はい…………？｣


時透さんは私の手を再びギュッと握ると言った。









無｢………僕、美月のことが好き。

世界で1番。｣




…貴方はずるい。



天｢………私も、です｣




時透さんは微笑むと


私に触れるだけのキスをした。







世界で1番、幸せな時間だった。

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