甘露寺蜜璃は大家族になりたい！【おばみつ】

拾捌ノ話 ページ21

伊黒side

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…


｢…ん…？朝か…？｣




…ﾊｯ！


俺は寝起きとは思えない勢いで

ガバリと起き上がる。






恐る恐る横を見ると






スヤスヤ眠る蜜璃。








あ"あ"あ"あ"ああああああああぁぁぁ





やってしまったやってしまったッ！






嫁入り前の娘にッ手を出すとはッ…！








なぜあの時断らなかった…?!






少し飲んだ酒で思考回路がおかしくなっていたのか…?!








切腹だッ切腹だッ…





ふらふらとした足取りで

台所から包丁を持ってくる。




甘｢…おはよ…う………えッ?!何してるのッ?!｣





｢切腹だ………蜜璃、済まない…介錯を…｣


かすれた声でそう言うと蜜璃が

抱きついて止めてきた。




甘｢……ダメダメダメッ！

小芭内さんは死んじゃダメッ！



死んだらイヤよっ！



私との、約束破るの…？


幸せになるのはまた来世になっちゃうわっ！


私、間違えてカマキリとかになっちゃうかもしれないしっ

メダカかもしれないしっ…



とにかく、包丁は戻してきてっ！｣




…そうだ。取り乱してしまった、


俺は、蜜璃を幸せに…






｢…す、すまない…


取り乱してしまった…！


嫁入り前の娘に手を出すなど男のすることではないっ！


すまなかった…！蜜璃！許してくれ………｣




俺が項垂れながら言うと


蜜璃は昨夜の事を思い出したようで、





顔を真っ赤に染めて言った。



甘｢…?!あっあのことねっ！


いいのよ?!全然…?!




…小芭内さんだから…ッ｣




｢…………ッ！//


そ、それじゃ、チョウショクをツクルカラ…


み、蜜璃はまだ、ヤスンデイルといい…｣



カタコトになりながらそういい、



俺は逃げるように部屋から出ていった。





寝室には、


真っ赤になっている蜜璃だけが、残された。

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