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「もう、帰り遅くなるから行こっか」

笑いかけると

少し安心したような顔になって

『おん、帰る』

さりげなく手を繋がれて
駅まで歩いた


最寄駅で降りようとすると
当たり前のように降りてくる小瀧

『送るから』

「いいよ、大丈夫やから」

『あかん、俺が送りたいの』

「なにその少しだけ頑固なところ」

『だって、長く一緒に居たいんやもん』


意外と小瀧は
私にストレートに気持ちをぶつけてるのかもしれない


らしくないとか
思ってたけど

彼なりの精一杯のアピールだったと思えば可愛らしい


「そっか、…もし、さっきの気にしてるんやったら、もう怒ってへんよ?」


『…それだけやないから』

わざと気づいてないフリすれば
こう返ってきた


家まで送ってもらって

バイバイしようとするけど

ぎゅーって強く抱きしめれる


「どうしたん?」

『俺、Aにだけは嫌われたくない』

「…そっか」

『俺のこと嫌いにならんで?』

「大丈夫、嫌いになってへんから」

『俺、ホンマはAのこと、ブスなんて一度も思ったことないから』


「そうなん?」

『おん、勝手にAは傷つかんって決めつけてた…ごめん…Aは可愛いで?』


そんなこと言われたら
こっちが心臓もたない

慌てて体を引き剥がして距離を取る

「わかったから、そんな煽てなくてもええよ」

『煽ててへん、ホンマの気持ちやから』

「うん、わかった、ありがとう」


『…ほんまに分かってる?』

「うん」

なんでそんな不安そうな顔するの


「また明日ね」

『…明日は絶対海で遊ぼな?』

「うん笑」

『ほな、バイバイ』

頭を撫でて手を振って帰ってた


はぁ、小瀧の気持ちに気付いた私は
明日から心臓持つのだろうか


私もバカで
小瀧のあの言動の本当の意味を知らなくて
やめろって言ってしまったから

もっと素直に気持ちをぶつけてくるかもしれない

きっと私の方が照れてしまうわ

それでも鈍感やから小瀧は私の気持ちに気づかんやろな

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作者名:AB | 作成日時:2023年4月16日 18時

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