届かない言葉 ページ29
家までの長い距離を昨日はひとりで
しかも喧嘩してたから、なおさら悶々としながら歩いたに違いない
陽が高くなったからとはいえ、昨日家に帰ってきた時間にはもう夕焼けは沈んで、すっかり暗かった
そう考えると、俺、相当酷いことをともにしてしまったんやって…反省する
俺がともを捨てたって…
確かに置き去りにされたら、そう思うのも当然よな
要らないって言うてるみたいなもんやもんな
俺たちも過去には施設に
まだ生まれたばかりで段ボールに詰められて施設の入り口に置き去りにされたんやもんな
「ともっ…ごめんっ…ともっ…俺が全部間違ってた…ともがおらんとっ……おれっ」
必死に走りながら
届くことのない言葉を吐く
やっとの思いでともらしき人物の影を捉える
走って
「ともっ！まって！！」
肩を掴んで
ハァハァ…と息を切らしながら顔を見る
「あ……人違いでした…すみません」
そんな中、中村さんが車を俺の脇に停めた
中「もう暗いですっ、乗ってください！」
「嫌やっ、ともを探さんとっ…」
中「智洋様はもう、家に着いてました。家のものが確認済みです」
「…そっか。家に無事帰れたんか…良かった」
また歩いて帰らせてしまったから全然良くないんやけど
でも、安否がわかって一まず安心した
部屋に直行して
「ともっ…もう歩いて帰るのやめてやっ…心配やねんっ…危ないから、一緒に車乗って帰ろうや」
『…』
「俺のこと、もう見えへん存在でええからっ…それだけはお願いや…ともに何かあったら、俺、耐えられへん」
『…』
「今日は無事に帰ってきたって聞いて安心した。俺、ともを追いかけて走って家まで帰ろうとしてん…あの距離を昨日はともひとりで、歩いて帰らせてごめんっ…ほんま、お兄ちゃん失格や…」
『…』
「置き去りにしてごめんっ…もう何を言っても、俺の言葉届かんかも知れへんけど……俺はとものこと絶対捨てたりなんかせんからっ…とものことが必要やねん」
『…』
「食事は…一緒にしような？…今日昼間、ちゃんと弁当食べた？…ご飯は粗末にしたらあかんで？」
『…』
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美羽(プロフ) - パスワードがお知りたいです (2022年9月7日 16時) (
レス) id: 1be4c3356d (このIDを非表示/違反報告)
まいみん(プロフ) - 初めまして。いつも拝読させていただいています。続きがとても気になるのでパスワードを教えていただきたいです。 (2022年9月7日 14時) (レス) id: 6198bdee62 (このIDを非表示/違反報告)
三月(プロフ) - お/り/ふ/らたってますよ~ (2022年8月31日 13時) (レス) id: 439e180867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AB
| 作成日時：2022年8月30日 18時
