拾われた子3（黄・赤×緑）

変化を嫌う双子 ページ15

先生「はーい、それでは新しいクラスにも慣れたことですし？そろそろ席替えをしまーす」


担任のこの余計な一言でクラスが騒がしくなった


「始まったわ…1番嫌なイベントやわ」

みんなたぶん喜んでるんやろうけど
俺とともだけはズーン…と気分が落ち込む

席替えは公平にくじ引きらしい。

「先生、俺たちのことを抜きにみんなで席替えしてや」

先「んー…それだと、みんなと平等じゃなくなると思うんやけど」

別にみんなが平等やなくて俺らは困らんし
逆にこの席替え自体に俺らは困ってるんやし

「俺はともの隣以外嫌」

［出たよ、ブラコン］

「なんやと？誰や今ブラコンって言うたの」

先「まぁまぁっ…大毅くん。もしかしたら、また智洋くんの隣の席になるかもしれへんやろ？くじ引きしようか」


「嫌や…確実にともの隣になれへん限りやらへん」

先「クラスの人とも仲良くなる機会やしさ」

「別に無理して仲良くなる必要ないやろ。俺はともが居ればそれでいい」

先「…今までやって席替えしてきたやろ？わがまま言わへんの」

…

「もう無理っ絶対嫌やぁ！せやから席替えしたくなかったんやぁ！！」


先「まぁまぁ…そんな気を落とさんと…」


ありえへんわホンマ！！

廊下側の1番前の俺と
窓側の1番後ろのとも。

教室の対角の位置になるってどんだけ運がないん？！

「もう終わったぁ！…ともの近くでもない時点でもう俺生きていかれへんわ」

『大ちゃん…遠い…』

先「そんな、一生の別れってわけやないんやからさ」

「先生にはわからへんやろな！俺ら双子の気持ちがっ！！」

流「大毅、俺と交換する？」

「あ？やって流星、ともの隣やないやん」

流「そうやけど、大毅よりは近いで？」

流星の席はともの席の２つ隣。
クラスの中央の列の1番後ろ

「ん"ーっ…でも、まだ近い方がええか…」

【ちょっと待ってください。そんなんOKやったら、みんな希望する席に交換したくなるやん。不公平やもん】


先「ほな、お互いが合意の上やったら、交換OKにします！」

「せやったら初めからくじ引きなんかで席替えすんなっつーの」


先「ただし！1人一回まで！人と交換するのは一回だけでお願いします！」


…

「はぁぁっ、納得いかん…」

先「もうこれで我慢してや…さっきよりめっちゃ近づいたやん」


俺が獲得した席は
ともの斜め前の席

ともは前の席の子に交換をお願いしたけど、既に他の子と交換することになったみたいで、撃沈。


せやから席替えは嫌いなんや！

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