拾われた子（黄・赤・緑）

親子になるっていうこと ページ32

大毅の部屋から何も音がしなくなって

心配になる
使用人に急いでドアの鍵を開けるように伝え

半ば無理やり外側からドアを開けた



智は大泣きしてて

部屋を開けてすぐに大毅の安否を確認する


部屋は窓が開いてあって
すぐに窓の下を確認する


淳「落ちてはいないな…大毅…出ておいて……大毅の心の傷俺にも背負わせてや…」


『大ちゃん…お願い…僕から離れていかんでよ……っ、ひとりにせんで…泣…大ちゃんっ、、』


泣きじゃくりながら
大毅に声をかける智


「…とも……」


大毅の声に振り返ると
ベッド脇に小さく体を縮こませてシーツをかぶって居たようで

シーツを床に下ろして

涙を拭いて
智の元へと歩いてきた

『だいっ、ちゃ、、』



大毅は施設にいる時からずっと傷ついてたんや

智よりも繊細な心の持ち主なのかもしらん
せやから、2人の世界を壊す奴が気に食わないんや


智が大毅に駆け寄ってぎゅって抱きしめた


智がわんわんと泣くから

大毅も何か言いたそうやったけど
とりあえず智の背中を摩って


智が落ち着くのを待った




…


「とも、ごめんな…酷いこと言うて」


『ううん……僕の方がたくさん、大ちゃん傷つけてた…ごめん』


「ええよ……あんな手紙…書いた俺が悪いんや…」


『大ちゃんの心が泣いてるの……僕気づかんで、泣いてごめん…大ちゃんのこと必要なくないっ…寂しい想いさせてごめんっ…』


また感情的になって
泣き出しそうになる智の背中をさする


大毅が俺に言うた言葉はきっと本音やろう


それに、施設から引き取とった時も大毅には若干冷たく接してしまってたし


智との扱いの差を感じて大毅は傷ついてたんや


口が達者やし、気が強いから勝手に傷つきにくい子って決めつけてた俺が悪いんや



大毅を抱きしめて
頭を撫でる

「ちょっ、、離せっ」

淳「いや、離さへんっ…大毅、ずっと傷ついてたんやな？…大毅が傷ついてきた分、俺が全部抱きしめたる……」


大毅と智、2人を抱きしめた

淳「俺はっ、、大毅と智と出会えてよかったと思ってる…せやから、自分で自分を否定すんのやめてや…生まれてきてくれてありがとう」




生まれてきたことを…自分の存在を…否定しないでほしい


「…っ…淳太のくせにっ…あほ……アホぉっ！泣」

『っ、うわぁんっ泣』



ここでやっと俺たちは

ほんまの親子になれた…そんな気がした







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