好きとは…（桃）

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Aside


好きかもしれない…

断言しないのは自分の弱さだ

人を好きになるのが怖いと思ったから




それでも望さんはわたしを愛してくれた

久しぶりに体を重ねて

やっぱりこの人を好きだと思った



わたしを大切にしてくれる人だ


好きになってもきっと裏切られはしないだろう


人を信じてもいいのかもしれない



…


夜のバイトをやめた

昼間のカフェでバイトをすることにした


それから自炊をしようと思って
ご飯を作るようになった


苦手な野菜もがんばって食べるようにもなった



望さんは私が作った料理を喜んで食べてくれて
幸せな日々が続いた



家に流星さんや神山さんもよく来て
人見知りもなくなって話せるようになってきた



…

買い物に行かなきゃ…

出掛けると言って望さんが珍しく昼間に出て行った


1人で買い物をして家まで歩いてると



望さんと知らない女の人が居た


誰だろう…


あまり見てはいけないと思っていたけど

気になって見てると


女の人が望さんに抱きついていて
望さんは嫌がるどころか

笑いながら抱きしめ返していた



『仲良いんだな』


なんだか胸が痛くて

コレ、前にも経験したことある


すごく不快な気持ち



そのあと女の人は望さんの腕に絡みついたまま仲良さそうに歩いて行った


ズキン…

ズキン…



『…』


家に帰って一心不乱に料理を作る


でも

『いたっ』

包丁で指を切ってしまった

結構ガッツリ



血が止まらない


ジンジンする傷口


嫌なことは連発するもんだと思い知らされる


タオルで止血しながら

傷の手当てをしてると

今日仕事休みと言っていたのに

望今日飯要らない


メッセージが届いてあった


きっとあの女の人と…



なんか苦しい

望さんに他に好きな人ができてしまったら


私は用無しになるのか


ズキン…ズキン…


一瞬だったけど女の人は綺麗な人だったような気がする

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