キスの味（紫・桃×緑） (ページ12)

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そんな会話を最後に
気付けば
3月…

はまちゃんが中学を卒業した

『はまちゃん、卒業おめでとう』

「ありがとう」

はまちゃんを見ると学ランのボタン全部外れてて

『さすが、モテ男はちゃうな？ボタン全部なくなったんや？』

「あ、ぃゃ…まぁ、、そうなんやけどさ」

『よかったやん？めっちゃいい思い出やん』

「…うん…あの、神ちゃ」

『あ、！そういや、担任に呼び出されてた…』

「待って……神ちゃん…」

『…ん、なに？』

「これ……あげる」

『…え？ボタン？』

「ん、、第二ボタン…あげる相手居らんけど…せやからってテキトーに誰かにあげるの嫌やってん……変に勘違いもされたくないし…せやから、、神ちゃんにあげる」

『…ええの？俺で』

「ん、、神ちゃんに持ってて貰いたい」

『…わかった…ほんなら…有り難く貰っておくわ』

「ほな、担任とこ行き？」

『…おん。ごめんな？』

「ええよ、全然…帰り俺ん家来て」

『…ん、わかった』

…
卒業式の片付けを終え
下校する

はまちゃんに言われた通り
家によると

すぐにはまちゃんの部屋に通してくれた

卒業式やったのに
はまちゃんの家には誰もおらんかった

『あれ…はまちゃん親おらんの？』

「いたけど、もう仕事行った」

『…へぇ…ってか、前より部屋の物無くなってへん？』

「俺、この家出てくねん」

『…ぇ？』

「高校、この辺やなくて…遠いところ受けて…通えへんから4月から高校の近くのアパートで一人暮らし」

『っ、、何でもっと早く言ってくれへんかったん？』

「言ったところで何も変わらんやん？」

『そうやけど…』

「明日から引っ越しというか、荷物を少しずつ運んでくから」

『…』

「せやから、最後に神ちゃん抱きたかってん…もう当分会えへんかもやし」

『…そっか』

「ごめんな？俺のわがままに付き合わせて」

『…そんなん、今に始まったことちゃうわ』

「…あはは笑…それもそうやな」

その後はお互い何も話さず
自然と顔が近づいて

はまちゃんからのキスを俺は受け止めた

相変わらず、はまちゃんからはあのざくろ味がした

でも、今日はいつもより
酸味が強いような気がした